秋の神戸を彩る芸術祭「六甲ミーツ・アート」、今年は更に進化

2023.6.28 07:00

招待アーティスト・国内外で活躍する現代美術家・椿昇さんは「六甲山全体がもっと行きたくなる場所になってほしい」とコメント

(写真5枚)

夜景スポットで有名な神戸・六甲山上で、8月26日から90日間おこなわれる現代アートの芸術祭『六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond』。14回目となる今年は、各会場をつなぐ山道へも作品を展示し、よりアートを身近に感じられるよう内容を拡充しての開催となる。

2010年から毎年おこなわれ、ミュージアム・植物園などの観光施設をめぐりながら、豊かな自然と現代アートの共演を楽しめる同イベント。幻想的なライトアップが魅力の夜間拝観の実施など、年々内容をグレードアップさせ、これまで50万人以上が訪れた秋恒例のアートイベントとして親しまれている。

今回は2025年に開催される『大阪・関西万博』などを見据え、「新たなステージ」を意識。まずは招待アーティストの拡充として32組を迎え、公募を含む過去最大規模の計49組(6月23日時点)の作品が集結する。8月26・27日には、暮れゆく空の下、俳優・ダンサーの森山未來がキュレーションするダンスパフォーマンスの公演も実施予定で、多種多様なアートを体感できそうだ。

さらに、車やバス移動以外の「歩き」も楽しんでほしいとの思いから、「六甲ケーブル山上駅」から「ROKKO森の音ミュージアム」付近をつなぐ遊歩道・山道にも、古山荘などをいかした7作品を展示。同ミュージアムは野外鑑賞の充実のために「SIKIガーデン」を拡張し、六甲山ゆかりの御影石を使って来館者が上を歩くことができる彫刻など4作品が登場予定という(一部作品は会期終了後も展示を延長)。

主催する「阪神電気鉄道」代表取締役・社長の久須勇介氏(左から3番目)ら関係者による記者会見がおこなわれた(23日・大阪市内)

記者会見では、総合ディレクター・高見澤清隆さんが「これまでは現代アートの正解を出さないようテーマを設けていなかった」と語り、新たな試みとして「新テーマ『表現の向こう側(にあるもの)』のもと、『分からない』ものにシャッターを閉じるのではなく、どんな作品なのか『考えてみる』ことが豊かな社会作りへ繋がるのでは」と作品との接触を呼びかけた。

期間は8月26日から11月23日まで。「六甲高山植物園」「六甲ガーデンテラスエリア」など9会場で実施。6月24日から鑑賞パスポートの前売りが開始され、8月26日以降の山上窓口販売は大人3000円ほか。9月23日以降の土日祝は夕方5時~夜8時まで夜間イベントも実施予定。

取材・文・写真/塩屋薫

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