大阪で世界初公開、約500万年前の巨大サイ…貴重な化石も

2023.7.16 10:00

右:復元された「チベットケサイ」、全身骨格と生体モデルは世界初公開

(写真8枚)

化石の発掘・研究をおこなう「化石ハンター」をテーマに、哺乳類進化の新学説「アウト・オブ・チベット」に迫る特別展『化石ハンター展』が、7月15日から「ATCギャラリー」(大阪市住之江区)でスタート。世界で初めて復元された「チベットケサイ」の骨格・生態モデルなどの貴重な資料が展示される。

最古の化石ハンターとして知られる「ロイ・チャップマン・アンドリュース」が、モンゴルのゴビ砂漠に化石発掘調査に出たのが1922年のこと。前半の展示では、彼が発掘した貴重な化石が並ぶ。

注目は、「プロトケラトプス」の幼体から生体までの成長過程がわかる頭骨や、恐竜が卵を産んで育てていたことが確信となった「恐竜の卵」、そのほか小型から大型の恐竜・哺乳類の化石が展示され、9年間、5度の発掘調査で、これだけ多くの成果をあげていることに圧倒される。

後半の展示では、アンドリュースに続けとゴビ砂漠に調査に入った、化石ハンターたちの発見をたどる内容に。2007年には、王暁鳴(ワンシャオミン)博士らによって「チベットケサイ」の頭骨と下顎骨が発掘され、2011年に「アウト・オブ・チベット」説が発表された。

また、展示のクライマックスでは、「チベットケサイ」を復元した全身骨格・生体モデルも世界初公開。見つかった頭と下顎から、ケブカサイを参考にレプリカ制作されたもので、メスと子どもを守るために威嚇するオスの迫力あるポーズが表現されている。

恐竜が卵を産んでいたとされた化石(複製)

アンドリュースから始まった「化石ハンター」の挑戦は現在も続いており、謎が少しずつ解明されている点にロマンが感じられる展示となっている。

大阪市立自然史博物館の館長・川端清司さんは、「大阪市立自然史博物館で開催されている『恐竜博』と両方ご覧いただくと、恐竜の起源である2億3000万年前から氷河時代までの脊椎動物の進化を俯瞰していただくことができます」とコメント。

特別展『化石ハンター展』は、「ATCギャラリー」で9月24日まで開催(会期中無休)。入場料は一般1800円ほか。開館時間は朝9時半から夕方4時半まで(最終入場4時)。「チベットケサイぬいぐるみ」(親2750円、子ども1650円)や「クリアファイル オリジナルアート」(385円)などの限定グッズも多数販売。

取材・文・写真/太田浩子

化石ハンター展

会期:2023年7月15日(土)~9月24日(日)※会期中無休
時間:9:30~16:30(最終入場16時)
会場:大阪南港ATCギャラリー(大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 )
料金:一般・大学生1800円、中学生・高校生900円、3歳~小学生600円 ※3歳未満は入場無料

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