愚直さと軽やかさ、そして遊び心…堀込泰行が奏でる音楽の魅力

2023.7.29 20:30

堀込泰行

(写真1枚)

元キリンジのボーカル&ギターで、現在はソロで活動するシンガーソングライターの堀込泰行が「ビルボードライブツアー」を開催。大阪では8月24日におこなわれる。

■ シンプルながら、誰にも真似できない

ある種の音楽ファンにとって、兄弟ユニット・キリンジというバンドは特別な存在だった。兄・堀込高樹の屈折しながらも美しく構築された楽曲と朴訥とした歌声。弟・泰行のポップで清涼感あふれるメロディと軽やかな歌声。2人ともが作詞作曲をしてボーカルとギターをとるスタイルで、互いにないものを補い合いながら化学変化を巻き起こす。キリンジワールドは「音楽の奇跡」そのものだった。

だが、2013年に堀込泰行はキリンジを脱退。堀込高樹はKIRINJIとして新たな形で活動を継続し、堀込泰行はソロアーティストとして活動することになる。

ギターを手に自身の内なる世界と向き合い、ポロポロと弦をつま弾きながら、メロディと言葉を紡ぎ出す。そんなトラディショナルなシンガーソングライターとしての在り方を探求する一方で、□□□(クチロロ)、D.A.N.、tofubeats、シャムキャッツ、WONKといった新進気鋭のミュージシャンとのコラボで新境地を切り開く。愚直さと軽やかさの絶妙なバランスと遊び心。それが堀込泰行の魅力であり、シンプルでありながらも誰にも真似できない個性なのだ。

■ 藤井隆との『THE FIRST TAKE』も話題に

2021年にBSフジで音楽番組『アワー・フェイバリット・ソング 私が「エイリアンズ」を愛する理由』が放送され、キリンジ時代のソロ名義・馬の骨の楽曲『燃え殻』が映画のエンディングテーマとなるなど、過去曲にも注目が集まっている彼。

ソロになって以降も、安藤裕子、ハナレグミ、YUKI、坂本真綾など、他アーティストへの楽曲提供も盛んで、最近では話題のYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で藤井隆の歌う『ヘッドフォン・ガール-翼が無くても-』を作詞作曲し、自身もギターとコーラスで出演。

「作詞・作曲を手がけてくださった泰行さんが一緒にいてくださったのでとても心強かったです」と、藤井が大きな信頼を寄せる様子がSNSで話題になるなど、反響を呼んだ。

今回のライブはサポートメンバーとして、過去2回のプラネタリウムライブツアーをともにした、田村玄一(Steel Guitar)、千ヶ崎学(Contrabass)、小池龍平(Gut Guitar)といったメンバーが顔を揃える。ジャンルレスでありながら普遍性をもつ、あたたかな歌世界をアコースティックなセットでじっくりと味わいたい。

ライブは8月24日、夕方8時〜/夜9時〜の2部制。料金はサービスエリア8000円、カジュアルエリア7500円。

文/井口啓子

『堀込泰行 Billboard Live Tour 2023』

日時:2023年8月24日(木)・18:00〜/21:00〜
会場:ビルボードライブ大阪(大阪市北区梅田2丁目2番22号 ハービスPLAZA ENT B2)
料金:サービスエリア8000円、カジュアルサイド7500円

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本