大阪上陸のシルク・ドゥ・ソレイユ「ツウな楽しみ方」で予習

2023.7.20 08:00

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

(写真23枚)

世界的なエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユの、5年ぶりとなる日本公演『アレグリア-新たなる光-』。彼らの名前を一躍世界に知らしめた名作を、「ポスト・パンデミック」を意識してよみがえらせた作品の大阪公演が、7月14日から開幕した。シルク初心者さんでも楽しめるよう、今回はその見どころを紹介する。

取材・文・写真/吉永美和子

1、絶え間なく繰り広げられる「超人技」

シルク・ドゥ・ソレイユといえば、目の間で見ているものが現実とは思えなくなるほど、常人離れしたアクロバットの数々。

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

今回も、長い棒の上で人が飛び回る「アクロ・ポール」、人間大のリングを生き物のように操る「シル・ホイール」、何十本ものフープを一度に回して見せる「フラフープ」など、口で説明されただけでは「ちょっとなに言ってるかわからない」となりそうな大技ぞろい。無意識のうちに、何度も拍手をしてしまうこと請け合いだ。

2、サーカス×物語性、当時では革命的だった!?

ショーケースのように技を披露していくだけだった旧来のサーカスと違い、演劇作品のような芸術性とストーリー性をサーカスに取り入れたのが、シルク・ドゥ・ソレイユがエンターテインメント界に起こした革命だった。

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

この『アレグリア』も「王を失い、保守勢力と若い世代が争う世界」というバックグラウンドがあり、1人ひとりのキャラクターにも存在の意味が込められている。それを頭に入れておくと、同じ技でもどこか悲しく思えたり、愛情が垣間見えたり、大きな喜びに包まれたりと、より豊かな鑑賞体験ができるはず。

3、音楽もひとつの「足を運ぶ理由」に

舞台は見ていなくても、TVCMで流れる「アレグリ~ア♪」というテーマソングが、耳に残って離れない人は多いのではないだろうか。すべてが生演奏の『アレグリア』の音楽は、サウンドトラックがグラミー賞にノミネートされたほど高く評価されている。

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

テーマソングに乗せて、男女が空中でドラマティックに舞う「エアリアル・ストラップ」に、パフォーマーとドラムの掛け合いが極上なセッションを見ているような「ファイヤーナイフ・ダンス」など、音楽だけでも観ごたえ(聴きごたえ?)のある演目も多い。

4、演技以外にも「飽きさせない」工夫が目白押し

演目の合間には、アクロバットの緊張感をやわらげるように、クラウン(道化師)たちの奇妙な友情物語が、無言のコメディ形式で繰り広げられる。1幕の終わりで、2人が猛烈な紙吹雪の嵐に襲われる「クラウン・スノーストーム」は圧巻で、これこそライブでないと伝わらない迫力と感動だ。

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

またパフォーマーたちの衣装は、身体のシルエットがハッキリしていたり、半裸のものが多く、超人的な技を可能とする筋肉の数々にも、思わず目を奪われてしまうはず。まさに見どころは無限大の複合芸術、複合エンターテインメントの世界。それが『アレグリア』だ!

『アレグリア-新たなる光-』の劇中シーン(13日・大阪市内※公開リハーサルにて)

『アレグリア-新たなる光-』は、10月15日まで特設テント「森ノ宮ビッグトップ」(大阪市東成区)で上演。チケットは平日はS席1万2800円、A席1万円、B席6800円で、土日祝は1000円増。小学生以下は子ども料金あり。上演される演目は変更される場合あり。休演日や貸切の日もあるので、スケジュールは公式サイトでご確認を。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』

期間:2023年7月14日(金)~ 10月15日(日)
会場:森ノ宮ビッグトップ(大阪市城東区森之宮1-6)
料金:【平日】S席大人1万2800円、S席子ども8800円【土日祝】S席大人1万3800円、S席子ども9800円 ほか

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