【どうする家康】14年ぶり大河、鬼の人気武将を演じたのは

2023.8.15 18:30

『どうする家康』第31回より、事前の告知なくサプライズ登場となった森長可役の城田優 (C)NHK

(写真4枚)

古沢良太脚本・松本潤主演で、江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。8月13日放送の第31回『史上最大の決戦』では、家康と羽柴秀吉が対決する「小牧・長久手の戦い」に至るまでが描かれるとともに、城田優のサプライズ登場にSNSが沸き返る場面もあった(以下、ネタバレあり)。

■ どうする家康、秀吉と戦う道へ

織田家重臣・柴田勝家を滅ぼし、実質的に次の天下人となった羽柴秀吉(ムロツヨシ)。家康は偵察として石川数正(松重豊)を挨拶に向かわせるが、茶器を献上されたことを泣きながら喜ぶなど、非常に手厚い待遇を受ける。それが芝居のようでもあり、心のままの振る舞いでもあるように見える秀吉に、数正や家康は不気味さを感じる。

不敵な笑みを浮かべる秀吉(ムロツヨシ)(C)NHK
『どうする家康』第31回より、不敵な笑みを浮かべる秀吉(ムロツヨシ)(C)NHK

まもなく織田信長の息子・信雄(浜野謙太)が、秀吉から実質的に追放され家康に助けを求める。家康は、「織田と徳川は、何を措いても助け合う」という信長との盟約と、秀吉のような欲の深い男には、亡き妻・瀬名(有村架純)が望んだ「戦のない世」は期待できないことから、慎重に策を練った末に、秀吉と戦う道を選ぶのだった・・・。

■ 家康と秀吉の駆け引き、信雄のダメぶり

羽柴(豊臣)秀吉と徳川家康が、実際に刀を交えた唯一の戦となる「小牧・長久手の戦い」。間違いなく家康にとって重要な戦いのひとつなので、ドラマもあの「三方ヶ原の戦い」に続く二部構成に。前半戦となる31回はこの戦に至った背景と、三方ヶ原での武田信玄の名言「戦は勝ってからはじめるもの」の通り、秀吉と家康の勝利への駆け引きがじっくりと描かれた。

家康が「池田恒興(徳重聡)を調略」という定石を打つも、秀吉はそれを完全に見越して、恒興が飛びつきそうな餌を撒く。しかし家康はそれも想定して、即座にプランBに移行。まさに「のちの天下人」の2人にふさわしいハイレベルな腹のさぐりあいに、SNSでは「初期の『嫌じゃああああ』と比べてホンマ風格出てきた」「殿がどんどんしっかりしてきてちょい寂しい、なんて気持ちになるなんて古沢脚本素敵過ぎる」など、興奮と感嘆の声、特に信長が憑依したような家康の大将ぶりに感激した人が多かったようだ。

家康の手を握る織田信雄(浜野謙太)(C)NHK
『どうする家康』第31回より、家康の手を握る織田信雄(浜野謙太)(C)NHK

しかしこの家康の成長を引き立てたのは、信雄の絵に描いたようにダメな二代目ぶりだろう。今川氏真や武田勝頼と、二代目たちの汚名をすすぐ描写が多かった『どう家』だが、正真正銘の「アホぼん」だったらしい信雄(実際安土城の焼失は、信雄の落度という説もあり)については、どうも救いようがなかったみたいだ。

SNSでも、「このパッとしない信雄の演技すげえな」「信雄、あふれ出る小物感(笑)」「祖父・藤岡弘、父・岡田准一で何故こうなる」などの苦言に混じって、「信長を父に持つ信雄が何故あんなに情けな・・・、と一瞬思ったけど、冷静に考えるとその父の教育は白兎(家康)を虎に育てる為に全振りされてたんだったわ」という擁護(?)コメントもあった。

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