サイコアニメの傑作「パーフェクトブルー」、再上映にSNS歓喜

2023.8.24 21:00

今敏さんの初監督作品『パーフェクトブルー』 ©1997MADHOUSE

(写真2枚)

公開から25年を迎えた、アニメーション作家・今敏(こん・さとし)さん(2010年没)の初監督作品『パーフェクトブルー』。その期間限定のリバイバル上映が関西を含む全国45の映画館で決定し、SNS上には歓喜の声が広がっている。

大学在学中に『第10回ちばてつや賞(ヤング部門)』優秀新人賞を受賞した今さん。『AKIRA』などで知られる巨匠・大友克洋のアシスタントとして働き、1987年の卒業後は漫画家、アニメーターとして活動。その10年後の1997年、劇場用アニメ『パーフェクトブルー』(原作:竹内義和『パーフェクトブルー 完全変態』)で監督デビューを果たした(日本公開は1998年)。

『パーフェクトブルー』では、アニメーションとしては当時まだ新しかった「サイコホラー」に挑戦。主人公は、アイドルグループを脱退し、女優への転身を図った霧越未麻(声:岩男潤子)。これまでのイメージを覆す過激な仕事(レイプシーンやヘアヌード写真集など)に戸惑いながらも知名度を上げていくが、やがて未麻はアイドル時代の自分の幻影を見るようになる。そんななか、未麻になりすましたウェブサイトが開設され、やがて彼女の関係者を狙った連続殺人事件が発生する・・・という物語で、日本ではR15指定だったが、ほとんどの国で18禁となった。

『パーフェクトブルー』予告

しかし、この『パーフェクトブルー』で今さんは世界的な評価を獲得。『第63回ヴェネツィア国際映画祭』に出品された『パプリカ』をはじめ、『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』など、「虚構と現実の混淆」をテーマにしたリアリティのある作品を数多く生み出してきた。しかし、新作『夢みる機械』の準備中だった2010年に病に倒れ、46歳の若さでこの世を去った。

今回のリバイバル上映は、今さんが監督をつとめた『パーフェクトブルー』のほか、『吸血鬼すぐ死ぬ』『HUNTER×HUNTER』などを手がけたアニメ制作会社「マッドハウス」(代表:田代早苗)の創業50周年記念として開催。一部劇場を除く、初の4Kリマスター上映となる。

この発表にSNSでは、「サイコサスペンスの傑作」「アイドルを題材にした映画で1番大好き」「今まで観た映画でトップレベルに怖かった記憶」「観に行きたい、出来れば観る日の翌日に何も予定が入ってない状態で」「これをこの時代にやる意義よ。見られる人は劇場でぜひ!!」といった数100件を超えるコメントが寄せられた。

■ 関西の対象劇場は計5館

上映期間は9月15日〜28日。チケットは一律1600円。R15指定。関西エリアは、「なんばパークスシネマ」「イオンシネマ シアタス心斎橋」「塚口サンサン劇場」「kino cinema神戸国際」「MOVIX京都」の5館。上映日時は劇場によって異なるため詳細は各公式サイトにて。

『パーフェクトブルー』

監督:今敏
原作:竹内義和
脚本:村井さだゆき
出演:岩男潤子、松本梨香、辻親八、大倉正章、古川恵実子、新山志保 ほか
©1997MADHOUSE

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