高杉真宙、舞台が好きという「ダメ出しをもらうのも幸せなこと」

2023.9.19 20:00

舞台『ロミオとジュリエット』でロミオ役を務める俳優の高杉真宙

(写真4枚)

少年たちが憧れるスーパーヒーローから、全女子がキュンとする子犬系男子まで、多彩なキャラクターをナチュラルに演じる俳優・高杉真宙。「舞台が大好き」と公言し、年1回ペースで演劇作品に出演する彼が今回挑むのは、誰もが知るシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』。

数多くの俳優たちが、青年から大人へと成長する過程で通過してきたロミオ役に、どのようにアプローチするのか? その意気込みだけでなく、人見知りを克服するコツなど、いろいろと話を訊いた。

取材・文/吉永美和子

● 「『息苦しさ』は、時代が変わっても共通する部分がある」

──意外にもこの『ロミオとジュリエット』が、本格的なシェイクスピア作品としては初挑戦です。シェイクスピアは、俳優なら誰もが一度は通る道だと言われていますが。

それは初めて聞きました。背筋が伸びましたね、今(笑)。でも、初めてがっつり演じるシェイクスピア作品が『ロミオとジュリエット』というのは、幸せに思います。もう少し年齢を重ねたら、ほかの作品もできるとは思うんですけど、ロミオ役を演じるのは今の27歳がギリギリかな? という気が、僕はしているので。

大阪では9月29日〜10月1日に上演される舞台『ロミオとジュリエット』

──高杉さんのロミオのイメージは。

「アホの子」です(笑)。でもそれは悪い意味じゃなくて、10代の子たちがなにかに夢中になったときの情熱って、アホなぐらい純粋じゃないですか? そこにどれぐらい、僕は寄り添えるのかなあ? と。あとは、神とか不条理にあらがえなかった人。「戯曲」と呼ばれるものって、みんな神や不条理にあらがおうとしている印象が、僕にはあるんです。でもロミオは若いせいなのか、そことあらがっている感じがない。

──ロミオはまだ16歳なので、なにか問題を抱えていたとしてもせいぜい家や友達止まりですよね。関係性というか、見えている世界がまだ小さい。

そうなんです。だから小さな世界にいるロミオが、息苦しそうに僕は思えるんですよ。さらに2人の家同士が、どれぐらいの規模で争っているのか・・・隣家なのか、町ぐるみなのか、国同士なのか。その規模によって、この子たちの息苦しさの規模は変わるし、逃げなきゃいけない規模も変わる。そこを今回僕は明確にしないといけないし、できるだけ大きくしたいなと、今のところは考えています。やっぱりそこが大きい方が、悲劇も大きくなりますからね。

──今まで結構『ロミジュリ』は見てきましたが、争いの規模というのは考えたことがなかったので、目からウロコでした。

今は家柄とか土地に縛られるということが、時代的に無くなってきていると思いますけど、また別の息苦しさ、不便さが生まれているんじゃないかと。たとえば今って、携帯ですぐに連絡が取り合えるけど、それで心の距離は近くなったのか? と言われたら、逆に昔より難しくなっているような気もするし。そういう「息苦しさ」は、時代が変わっても共通する部分があるんじゃないかと、なんとなく思っています。

舞台『ロミオとジュリエット』

期間:2023年9月30日(土)・10月1日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
料金:一般1万1000円、学生5500円※22歳以下

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