40年続く大阪のホテルに「流行スイーツ」、背景には若手の力

2023.9.17 08:00

「シェラトン都ホテル大阪」が手がける「シュプリームクロワッサン」左から、さつまいも、カスタード、いちご(各500円)

(写真5枚)

若者を中心に流行中のスイーツ「シュプリームクロワッサン」。巷でも取り扱い店が増えるなか、1985年創業のホテルも参入。だが、なぜ格式高いホテルがこのような流行モノを取り入れたのか?

■ 流行スイーツを「ホテルクオリティ」に昇華

「シュプリームクロワッサン」とは、クロワッサン生地のなかにクリームを入れ、表面をチョコレートでデコレーションした、ニューヨーク発のハイブリッドスイーツ。そんなトレンド商品を、大阪のホテル「シェラトン都ホテル大阪」(大阪市天王寺区)が取り入れた。そのビジュアルの美しさや500円という手軽さがあいまって、週末は午前中で売り切れることもあるという。

手土産にも喜んでもらえそうな、美しいビジュアルの「シュプリームクロワッサン」(大阪市天王寺区)

フレーバーのラインアップは、カスタード、いちご、さつまいもの全3種。(1時間以上かけて焼いた)焼芋を裏ごしして作製したクリームを使用するなど、かなり手がかかっているようだが、地道な作業とつくる工程を大切にするのがポリシーであり、そこが「ホテルクオリティ」。

■ キーワードは「若手スタッフの情報収集力」

企画を考案したのは、製パン担当の大石円さん(23歳)。20代前半の若手スタッフだ。「流行の商品をつくって販売したいので、ネットで最新のパンやスイーツを探したり、実際に食べに行ったりして企画を提案しているのですが、上司が話を聞いてくれるので言いやすいです」と大石さん。

続いて、「過去にも、夏限定のピザパンなどいくつか提案はしてきましたが、今回も企画が採用されてうれしいです」と目を輝かせる。企画などに参入できるのは30代から、20代は「下積み」といったイメージのあるホテルの製パン・スイーツ業界だが、同ホテルには次世代の意見を積極的に取り入れる土壌があるという。

商品を考案した製パン担当の大石さん(左)と、シェフパティシエの永岡さん(右)

そんな大石さんの上司にあたるシェフパティシエの永岡浩さんは、「若いスタッフは行動力があり、情報収集力に長けています。購買層に近い彼らが望むものをつくり、自身が見ていてワクワクする楽しいものをお客さまにも提供したい」と話すが、職人が集まる業界で、若手の案を次々に取り入れ実践するのは難しいはず。だが、そこには「私は三角形のトップに立つのではなく、台形の底でスタッフが活躍する土壌を整えるイメージですね」と、笑顔で話す永岡さんがいた。

普段から流行のスイーツを探すのが好きだという大石円さん(大阪市天王寺区)

これからもそんな若手スタッフの興味や意見を取り入れて、商品開発をおこなっていきたいとのことなので、ラインアップが気になる人は同ホテル内中2階に店を構えるカフェ&グルメショップ「カフェベル」を覗いてみてほしい。「シュプリームクロワッサン」の販売期間は10月31日まで、詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/其田雪花

カフェ&グルメショップ「カフェベル」

住所:シェラトン都ホテル大阪(大阪府大阪市天王寺区上本町6-1-55)
営業:8:00~19:00
電話:06-6773-5582

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