【どうする家康】茶々と稲が向かう、この時代の女の戦場とは

2023.9.27 17:00

『どうする家康』第36回より、家康に銃口を向ける茶々(北川景子)(C)NHK

(写真6枚)

松本潤主演で、徳川家康の人生を描く大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。9月24日放送の第36回『於愛日記』では、本多忠勝の娘・稲の輿入れ問題が決着するとともに、のちに「淀殿」となる秀吉の側室・茶々が初登場。この日まで明らかになっていなかったそのキャストの正体に、SNSには驚きの声が上がった(以下、ネタバレあり)。

■ どうする家康、この時代のおなごの戦

真田家との和睦のために、本多忠勝(山田裕貴)の娘・稲(鳴海唯)を嫁がせる話が浮上。当初稲は拒否するが、嫁ぎ先の北条家と豊臣家の間を取り持つために奔走する家康の娘・おふう(清乃あさ姫)など、この時代の女性なりの戦い方や覚悟を知るうちに「夫婦をなすも、またおなごの戦。真田家、我が戦場として申し分なし」と、婚姻の話を承知した。

『どうする家康』第36回より、本多忠勝の娘・稲(鳴海唯)(C)NHK

そのおふうと榊原康政(杉野遥亮)の説得で、北条氏政(駿河太郎)は豊臣秀吉(ムロツヨシ)との和平に動き出すが、秀吉は小田原征伐を宣言。秀吉の弟・秀長(佐藤隆太)に「兄に取り入る者のなかには、かなり危うい者もおります」という助言をされた家康の前に、秀吉の側室となったお市の娘・茶々(北川景子)が、火縄銃を構えながらあでやかに現れた。

■ 覚醒、嫁ぎ先を「戦場」に見立てた稲

前回から引きずった「真田家に誰か嫁を送らねばならない問題」の、完結編ともなった36回。稲がどうやって真田家に嫁ぐことになるのか? に注目が集まったが、戦国最強の武将・忠勝から武芸を仕込まれた姫らしく、嫁ぎ先を「戦場」に見立てて「おら、ワクワクしてきたぞ!」的な気持ちで受け入れるとは、じゃじゃ馬な「どう家」版・稲らしい結末だろう。

『どうする家康』第36回より、「真田家、我が戦場として申し分なし」と家康らの前で婚姻の話を承知した稲(鳴海唯)(C)NHK
『どうする家康』第36回より、「真田家、我が戦場として申し分なし」と家康らの前で婚姻の話を承知した稲(鳴海唯)(C)NHK

SNSでは「お稲ちゃん、戦うおなごに覚醒!!」「カッコいいー! これが私の戦い方!! て感じで!」「そうきたか。嫁ぎ先なんて生温いこと言うから・・・、戦場なら申し分ない真田だぜ」「この父にしてこの子ありやな」「さすが戦国一の武将、本多忠勝の娘。結婚を戦と申すか。あっぱれ」など、絶賛の言葉が次々と。

そして結婚反対の一番の理由が、結局「真田家が信じられない」ではなく「娘を手放したくない」だった忠勝(実際も非常に子煩悩だったとか)に対しても、「やっぱり手放したくなかったのか平八郎(忠勝)」「平八郎が『結婚式で愛娘からのメッセージを聞いて号泣してしまう父親』になってしまった」「平八郎パパ子離れ頑張れ」などの励ましの声があふれた。

■ 華麗なるラスボス、予想を超えるヤバい茶々

そして稲だけでなく、きっとこちらも結婚を愛情ではなく「戦場」と考えていたに違いない、織田信長(岡田准一)の妹・市の娘で、秀吉の側室となった茶々が初登場。誰が演じるのかは直前まで伏せられていたが、市を演じた北川景子が異例の再登場! 公式インタビューによれば、あらかじめ市と茶々の二役という形で、出演をオファーされていたそうだ。

『どうする家康』第36回より、家康の前に現れた茶々(北川景子)(C)NHK
『どうする家康』第36回より、家康の前に現れた茶々(北川景子)(C)NHK

オープニングクレジットで北川の名前が出た瞬間から、SNSでは「北川景子ーーーー!?」「クレジットでネタバレして、視聴者のみなさんざわついておられる」「大河ドラマで今までありそうでなかったお市=茶々の1人2役」「お市さまと全く同じ顔にするとは・・・。人の心ないのか!? 終わらない地獄の始まりではないか!」と、驚愕の声が止まらない状態に。

さらに、秀吉に媚びるような態度を取った、子ども時代の茶々の時点で「これは史上最強にして最狂の淀殿になる予感」と思っていたら、実際の茶々は火縄銃をぶっ放した上に、平然と人に向けるなど、予想を遥かにオーバーしたヤバいキャラに。そして凛としたたたずまいの市とは、中の人が同一人物とは思えないほど、毒気たっぷりな北川の演技も見ものだった。

SNSでも、「茶々こっっっっわうつくし」「母の美貌と伯父のバイオレンスと実父の北斗の拳と継父のイヨマンテを継承したハイブリッドすぎた!!」「大河史上一の狂気を持っていそうな茶々さまに、秀長亡き後の秀吉と豊臣家は翻弄されていきそう」「大坂夏の陣の悲劇待ったなし」など、困惑と期待の混じったコメントが寄せられた。

茶々を北川景子が演じるのは、SNS上でも有力視されていたが(多分完全には伏せきれなかったのもありそう)、これほど完ぺきなキャラ変をしてみせた北川景子とチーム家康、恐るべしと言った所だろう。もうすでに華麗なるラスボスとして完成された感のある茶々だが、「母を見捨てた」という怨恨も込みで敵視される家康が、本当にこれに勝てるのか? こわごわと注目だ。

『どうする家康』はNHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムは夕方6時から、BS4Kは昼12時15分から放送。10月1日放送の第37回『さらば三河家臣団』では、北条征伐に動いた豊臣秀吉と、娘・おふうを嫁がせた北条家との間で、家康が板挟みになる姿が描かれる。

文/吉永美和子

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本