「京都大丸」49年ぶりのレストランフロア新装、どう変わる?

2023.9.29 12:00

「大丸京都店」の8階フロアが8月29日、リニューアルオープン

(写真12枚)

「大丸京都店」(京都市下京区)の8階レストランフロアが9月29日、49年ぶりに全面リニューアルオープン。フロアデザインも一新され、西日本初出店を含む8店舗が入店する。同フロアに続く広々とした屋上テラス、また食に特化した漫画スペースなど、レストランフロアに留まらない取り組みにも注目だ。

■ 西日本初出店も、ミシュラン掲載店はじめ8店舗

京都市の四条通に面し、観光客や地元の買い物客で賑わう同百貨店。今回の大規模リニューアルのため、「ファミリー食堂」などが営業していた8階フロアは、2022年2月末より全面クローズされていた。リニューアル前には、年間およそ50万人が訪れていたそう。

生まれ変わった8階には、西日本初出店となりミシュランにも掲載されている地焼き鰻の名店「炭焼 うな富士」、嵐山に本店を構える「そば料理 よしむら」、大阪発祥の老舗喫茶店「丸福珈琲店」が京都に初出店するなど、合計8店舗が入店。フロアは白を基調とした洗練された雰囲気で、「これからの京都」をイメージした曲線が印象的な内装デザインとなっている。また、これまでの営業時間が夜8時までだったところ、概ね10時まで延長し、各店でアルコールなども楽しめるように。

「炭焼 うな富士」330gと特大サイズの青ウナギを1000度を超える高温で地焼きした「肝入り上うなぎ丼」(6600円)

■「京都の食材」をフロア全店で使用

フロアのテーマに「京都の食文化を未来へ繋ぐ」を掲げており、京都の契約農家の食材をメインに扱う食品卸企「ミナト」(本社:京都市南区)と業務提携。南は木津川市、北は丹後町まで京都府各地の契約農家から産地直送された野菜や果物、肉類、魚介類といった食材を各店で使用し、「京の食材」の魅力を発信していくという。

「VEGGIE ISO TERRACE」はこの取り組みに賛同し入店した店舗の一つ。京野菜をメインにした飲食店を京都市内に7店舗展開する「五十家グループ」(本社:京都市中京区)の新業態で、テラス席のある開放的な空間で朝採れ野菜のデリカテッセンやバーベキューがいただける。

さらに、「レストランフロア」だけに留まらない工夫も。フロア中央には、『美味しんぼ』など「食」に関連する漫画が約3000冊集まったスペースがあり、屋上のテラスで自由に読むこともできる。屋上テラスも今回のタイミングで一新され、従来あった天然芝のスペースに加え、京都の杉やけやきの廃材を活用した家具を配したエリアが誕生。地下の食品フロアでの購入品や、隣接するカフェのコーヒーを持ち込むのも良し、使い方は自由だ。

同百貨店の今井良祐氏は、「従来のレストランフロアの良さだった、親子3世代で楽しめる『日常』という点は継承しつつ、内装も取り組みも含め、改めて京都を表現しました。ルーフトップテラスは、昼は子供たちの憩いの場として、夜はもう少しお酒を飲みたい会社員の皆さんが楽しめる場。平日、休日、あるいは昼、夜と訪れる日や時間によって色々な顔を持つフロアに育てていければ」と意気込みを語る。

営業時間は昼11時から夜10時まで(「VEGGIE ISO TERRACE」は夜11時まで)。

【出店舗】「炭焼 うな富士」「VEGGIE ISO TERRACE」「そば料理 よしむら 大丸京都別邸」「Nippon Ramen 凛 離れ produced by LabQ」「三田屋本店ーやすらぎの郷ー」「丸福珈琲店 ザ・パーラー」「Rooftop terrace CIELO by il cipresso」「LA RISOTTERIA」

取材・文・写真/宮口佑香

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