海遊館では10年ぶり、コツメカワウソの赤ちゃんが順調に成長

2023.10.19 07:00

「海遊館」で誕生したコツメカワウソの赤ちゃん、現在の様子(10月17日撮影/海遊館提供)

(写真2枚)

大阪の水族館「海遊館」(大阪市港区)で8月23日から24日にかけて、コツメカワウソの赤ちゃん4頭が誕生。同館では10年ぶりの繁殖となり、約2カ月たった現在、順調に成長しているようだ。

カワウソの仲間では最も小さく、主に東南アジアに生息するコツメカワウソ。四肢の指に小さな爪があることが名前の由来だ。近年では生息数が減少しており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「危急種(VU)」に指定されている。

そんななか、国内外の園館と連携しながら繁殖に取り組む同館では、2021年にセンティ(メス)を、2022年にビジュ(オス)を迎え、2023年1月より同居がスタート。7月末にセンティの妊娠が確認され、8月23日・20時45分頃から24日朝までに4頭の赤ちゃんが誕生した。

赤ちゃんは生後約1カ月までは両親と共に過ごしたのち、現在はセンティと母仔で生活。母乳を飲みつつ、飼育員が作った離乳食も食べ始め、出生直後から体重が5倍に増えるなどスクスクと育っているという。

生まれてから約1週間後の様子(8月29日撮影/海遊館提供)

10年ぶりの繁殖と現在の様子について、担当飼育員は、「母仔ともに健康でホッとしております。海遊館は域外保全の一環として、繁殖生理や飼育技術の向上、保全の普及啓発に取り組んできました。国内の飼育数は増加していますが、血統の偏りが課題。今回の繁殖はこのような課題に取り組むうえでも非常に重要な意義を持つもので、大変うれしく思っています」とコメント。赤ちゃんの展示デビューは来春以降を予定しているそうだ。

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