タローマンを生んだ藤井亮、新作は「DIYパーツ」のキャラ

2023.11.6 11:00

剛腕怪人ラブリーコングをはじめとした「暗黒帝国アジャスター」の面々(写真提供:平安伸銅工業)

(写真7枚)

DIYパーツ「ラブリコ」シリーズを手がける「平安伸銅工業」(大阪市西区)が11月6日、2つのプロモーション動画を公開。手がけたのは、『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』を生み出した映像作家の藤井亮さんだ。DIYパーツを特撮映像でって・・・どういうこと!? 同社に詳しく訊いた。

■「次のフェーズへ行くぞ!」と舵を切り、藤井監督にオファー

日本の家庭に突っ張り棒を普及させた、1952年創業の同社。初代社長の孫である香予子さんが3代目社長に就任した2010年以降、社長自らが扮する「つっぱり棒博士」や「ツッパリ嬢」でのメディア出演などで話題を呼んできた。

突っ張り棒が正しく使われていないと湧く怒りが蓄積されると現れる「ツッパリ嬢」(写真提供:平安伸銅工業)

今回のプロモーション動画の題材は、手軽に入手できる「ツーバイフォー木材」を使って、壁や天井を傷つけることなく棚などを設置できるブランド「ラブリコ」。2016年に誕生し、今回改めて「新しいユーザーに届けたい!」と、動画制作プロジェクトが始動した。

タローマンで時の人となった藤井亮さんの起用を提案したのは、かねてから同社のプロモーションに携わってきたコピーライターの日下慶太さん。日下さんといえば「ポスター? はよ作ってや。死ぬで。」などのコピーが話題となった、「商店街ポスター展」の制作者として知られている。

床や天井、壁を傷つけることなく棚を作ることができるパーツ『ラブリコ』

動画作成にあたり、おしゃれな音楽に乗せて可愛く「ラブリコ〜♪」と歌う──今までのイメージを踏襲するなら「それが正解なんかなぁ」と一度は考えたそうだが、「藤井亮でいいのかな、みたいな議論もあったけど。これは平安さんの英断かな」と日下さんは笑う。

今まで打ち出してきたイメージを、真っ逆さまに覆す可能性すらある藤井ワールドの強烈なカラー。しかし新たな層へとアプローチするため、「次のフェーズに行くぞ!」と舵を切り、異色とも思えるコラボが実現した。

(左から)コピーライターの日下慶太さん、「平安伸銅工業」の竹内香予子社長

■「まさか悪の帝国が出てくるとは…!」(竹内社長)

スタイリッシュなデザインの『ラブリコ』と、藤井さんの昭和ムード漂う特撮スタイル。確かに、一聞すると相反するようだが・・・。提案会議の場に出されたのは、ショッキングピンクの体毛におおわれ、牙を剥き出しにしたキャラクター・剛腕怪人ラブリーコングをはじめとした「暗黒帝国」だった。

Lmaga.jpに特別に公開された、藤井亮さん直筆のラフ画(写真提供:平安伸銅工業)

まさかの悪の帝国の登場だったが、「めっちゃいいいやん! もう、すぐやろう!」。そう声をあげたいのをこらえ、意思決定をしなければならない神妙な会議をやり通した、と振りかえる竹内社長。藤井さんが帰ったあとの社内は、「やっぱすごいなー!」と、笑いとともに盛り上がったのだという。

「すぐやろう」と言わしめた、新たな動画はいったいどんな世界観なのか。ヒントは、壁や天井を傷つけない「ラブリコ」なら賃貸でも自分らしい空間づくりが叶うという商品コンセプトにあるようだ。

「暗黒帝国アジャスター」について語る藤井亮さん

藤井さん曰く、特撮モノの広告ではヒーローが登場するのが定石。そこをズラすことで、ブランド名にちなんだ「ラブリーコング」に行き着いたという。撮影半ばにしてすでに「画はすごくいい」と、藤井さんも手応えを覗かせた新作。

10月某日、大阪市内でおこなわれた「暗黒帝国アジャスター」撮影現場の様子

暗黒帝国で「ラブリコ」はどう活躍するのか? その全貌は、平安伸銅工業の公式YouTubeチャンネルで観ることができる。なお、Lmaga.jp編集部は極秘でおこなわれた撮影の現場に潜入。メイキングは別記事にて。

取材・文・写真/脈脈子

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