ゴジラ最新作、山崎貴監督「神様と怪物、両方を兼ねた存在」
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映画『ゴジラ-1.0』で脚本・監督・VFXを担った山崎貴監督
日本に強烈なインパクトを与えた、1954年の初代『ゴジラ』(監督:本多猪四郎、特殊技術:円谷英二、音楽:伊福部昭)。特撮映画としてあまりにも完璧すぎたため、以降の映画人はその呪縛からずっと逃れられずにいたが、2016年に庵野秀明が『シン・ゴジラ』で60年ぶりにその呪縛を解いたのは記憶に新しいところ。
その『シン・ゴジラ』の次作はどの監督が担うのか。誰もが二の足を踏みそうな重圧のなか、オファーを真正面から受けきったのは、卓越したVFX技術と演出力で、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『海賊とよばれた男』などを手がけてきた山崎貴監督。ゴジラフリークの評論家・ミルクマン斉藤が話を訊いた。
取材・文/ミルクマン斉藤
◆「作り終わってから『これは神事だな』と」
──今回の『ゴジラ-1.0』、面白かったです。ゴジラ映画のなかでは格段にドラマ性があって。
初代のゴジラがそうですからね。怪獣映画って、怪獣と人間とで話が分かれがちなんですよ。なんとかそれをリンクさせようと意識しました。
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──怪獣映画はどうしてもバトルの話になりがちなんで。ゴジラも、シリーズの初頭から平成ゴジラまでそうなっちゃった。やっぱりゴジラの登場というのは、水爆実験で安住の地を追われた結果なので。
そうそう。核実験があって生まれた生物というのがまずストーリーとしてありますよね。
──ちょっと感慨深かったんです。核時代に突入してしまった恐怖、戦争で無念にも亡くなった方の怨念が具象化して、それでゴジラというものが成り立っているわけで、やはりゴジラって、いみじくも「GODZILLA」とも書かれますが、まさに「怒れる神」的側面が強い。
やっぱり神様と怪物、両方を兼ね備えている存在が日本のゴジラだなと。ハリウッド版ゴジラは、怪物(モンスター)としての要素が強い印象があります。
──ただ怪獣王じゃなくてね。
どこかに神様の素質があるというか、言うなれば「祟り神」ですよね。だから、核によって生まれたんだとしたら、本来日本に来るべきではないのに、祟り神になって暴走して、日本にやってくる。『もののけ姫』の祟り神も、全然関係ない村に来て荒らしまわるじゃないですか?
ああいう昔から人間が恐れていた、すごい怨念を持ってしまったものが、こっちに来たらどうしようみたいな感覚って日本人じゃないと持ち得ない。そして、倒すというより鎮める。作り終わってから、「ああ、これは神事だな」と思ったんです。ゴジラという災厄をみんなで一生懸命鎮めて帰ってもらうのがゴジラの物語だと改めて感じましたね。
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