スズ子のライバル・茨田りつ子が魅力的、菊地凛子の探究心

2023.11.16 08:15

日帝劇場の客席にて、公演を見る歌手の茨田りつ子(菊地凛子)(C)NHK

(写真2枚)

戦前の日本のエンタテインメントの世界を色濃く描き、ヒロイン・福来スズ子(趣里)を取り囲む作曲家の羽鳥善一(草彅剛)、舞台演出家の松永大星(新納慎也)、作詞家の藤村薫(宮本亞門)など、濃いキャラが続々と登場している『ブギウギ』(NHK総合)。

第7週「義理と恋とワテ」から本格登場した茨田りつ子(菊地凛子)もまた、その存在から眼が離せないキャラクターだ。モデルである「ブルースの女王」淡谷のり子を彷彿とさせるオーラをまといながらも、新たなオリジナルキャラクターとして異彩を放つりつ子の魅力と、演じる菊地凛子の印象について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

■ オファーを受け、かなり悩んだという菊地

「茨田りつ子はスズ子のライバルとなる人。このキャラクターをどうしようか、どなたに演じていただこうかと、かなり悩みました。『死ぬまで歌う』という強さ、そして儚げな感じを表現できる方となると、なかなかぴったりくる俳優さんはいません。でも、初めて台本を読んだ時から感覚的に、菊地さんに演じていただけたらどんなにいいだろうと思っていました」と、キャスティング秘話を語る福岡さん。

一方、オファーを受けた菊地はかなり悩んだのだという。福岡さんは「『別れのブルース』『雨のブルース』などの名曲を実際に歌っていただくことになるので、菊地さんご自身すごく悩まれたようです。そのうえで、ありがたいことに受けていただきました。淡谷さんの素晴らしい歌がまずあるので、そこからあまり逸脱してはよくないし、かと言って『ものまね』でもいけない」と明かした。

憧れの歌手・茨田りつ子(菊地凛子)に話しかけるスズ子(趣里)(C)NHK

■ チャーミングで憎めない、りつ子とスズ子の喧嘩

俳優・菊地凛子の役に対する探究心の深さについて、「淡谷のり子さんについてとてもよくお調べになって、衣装や髪型、メイク、佇まい、発声のしかたなど、ご自身でとてもこだわりを持って、アイデアをたくさん出していただきました。ディスカッションしながら、魅力的なりつ子を作ることができました」と福岡さん。

「りつ子とスズ子は、互いに歌のプロフェッショナルとして火花を散らす仲になっていきますが、菊地さんと趣里さんの役作りのおかげで、チャーミングで憎めない2人が仲良く喧嘩するところがうまく表現できたと思います」と、太鼓判を押す。

「仲良く喧嘩」するりつ子とスズ子の関係性は、第1話冒頭に登場した「さっさと行きなさいよ。あなたの下手な歌をお客さんが待ってるでしょ」「相変わらず口悪いおばはんやな」という2人のやりとりからもよく伝わってきた。今後もりつ子とスズ子の関係性に注目だ。

取材・文/佐野華英

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