戦争で暗い日々に一服の清涼剤…小夜役・富田望生の魅力

2023.11.30 08:15

ヒロイン・スズ子(趣里)に憧れる小林小夜役を演じる富田望生(C)NHK

(写真2枚)

NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第9週「カカシみたいなワテ」の11月28日放送回から、新キャラクターの小夜が登場している。小夜と、演じる富田望生の魅力について制作統括の福岡利武氏に訊いた。

■「引っ掻き回しながら、スズ子に寄り沿ってほしい」という狙い

最近ではテレビドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で南海キャンディーズのしずちゃんを演じ話題になるなど、これまでもその演技力が評価されてきた富田。今回演じる小夜は、スズ子の歌に惚れ込み、故郷の福島から出てきて弟子入りを志願する女性という役どころだ。

福岡氏は「『なつぞら』でご一緒したとき、そして『ブギウギ』のヒロインオーディションを受けていただいたときから、『魂の熱い』お芝居で心を揺さぶる、素敵な女優さんだなと思っていました」とコメント。

そして「戦時下、梅丸楽劇団が解散し、スズ子を取り巻く状況は一変します。苦しい時代の空気のなか、小夜には『場』を引っ掻き回しながらスズ子に寄り添ってほしい、というねらいがありました」と、富田をキャスティングした決め手と小夜登場の理由を明かした。

また、小夜役と富田にまつわる「不思議な偶然」について、福岡氏はこう語る。「小夜役をどなたに演じていただくかまだ決まっていない時点で、9週の脚本を担当した櫻井剛さんが偶然、小夜を福島出身と設定していたんです。そうしたらなんと、富田さんは福島県のご出身。不思議なぐらいぴったりはまりました」。

ヒロイン・スズ子(趣里)に憧れる小林小夜役を演じる富田望生(C)NHK

現場に入った富田については、「この先も『スズ子に寄り添って、スズ子のために何かしたい』という、小夜の健気で懸命なシーンがたくさん登場します。富田さんは趣里さんとのコンビネーションがばっちり。スタッフからもとても愛されていて、福島のご出身なのに、なぜか大阪と相性がいいのでは、と感じています」と、和やかに撮影が進んだ様子を明かした。

■「冨田さんは日本一モンペが似合う役者さん」と太鼓判

最後に俳優・富田望生の魅力を改めて訊くと、「とにかく、なんとも言えない可愛げがありますよね。喜怒哀楽の表現がやりすぎず、やらなさすぎず、塩梅が素晴らしい。この先も、小夜の魅力にどんどん引き込まれていく場面があります。そして富田さんは、日本一モンペが似合う役者さんだ思っております」と、太鼓判を押した。

戦争による時勢はますます厳しくなり、梅丸楽劇団は解散、父・梅吉(柳葉敏郎)は酒に酔って暴れて警察に逮捕され・・・と、スズ子にとってまだまだ受難の日々が続きそうだ。この「灰色の日々」に一服の清涼剤となりそうな小夜の存在に注目したい。

取材・文/佐野華英

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本