全国へ高校無償化の輪、吉村知事「実行することで広がった」

2023.12.17 10:00

大阪府庁(大阪市中央区)

(写真2枚)

大阪府が進めている高校等授業料無償化制度。12月13日の定例会見で吉村洋文知事は、「少子高齢化になるなかで教育は非常にお金がかかり、教育費は重くのしかかっている。教育の無償化はこれから進むべき方向性。全国で取り組むべき」と話した。

現在、府内の全ての子どもたちを対象に、所得や世帯の子どもの人数に制限なく私立・国公立高校の授業料の完全無償化を目指している大阪府。制度改正は2024年2月の府議会定例会を経て正式決定の予定で、同年4月の高校3年生から段階的に適用され、2026年度には全学年が完全無償化になる計画で進めているところだ。

全国でいち早く高校無償化を進めた府。ほかの都道府県の反応に関して吉村知事は、「言うだけでなく実行することによって、全国にこの輪が広がってきている。奈良の山下知事、東京都の小池知事も無償化をすべきだと発表している。全国で無償化を実現すべぎだが、なかなか財源が生み出せない自治体もある。また、財源ができれば賛同する知事もいる」と課題を話す。

現状、国の高等学校等就学支援金制度があり、授業料を限度に世帯年収590万円以下で年間約39万円、910万円以下で約11万円が支援。

この制度に関して吉村知事は、「所得制限を撤廃し、39万円のベースを国が作る。それを超える部分をどう設計するかを自治体が考えるようにすれば、全国で高校無償化は広がる。全国で取り組むために少しでも近づけるべき」と話した。

取材・文・写真/岡田由佳子

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