M−1ラストイヤーで爆発なるか、へンダーソン「今が一番良い状態」

2023.12.23 19:00

お笑いコンビ・ヘンダーソン(左から子安裕樹、中村フー)

(写真4枚)

2021年大会以来、2度目の『M-1グランプリ』敗者復活戦に挑むお笑いコンビ・ヘンダーソン(中村フー、子安裕樹)。結成15年目のラストイヤー、最後の大一番を前に、2人は「今がコンビとして一番良い状態」と自信を見せる。ノリツッコミを繰りかえす漫才スタイルと唯一無二のキャラクターを武器に、ラストイヤーで悲願の決勝進出は果たせるのか。2人に話を訊いた。(取材・文/田辺ユウキ)

■ 泣くのも恥ずかしくないくらいギリギリで(中村)

──ついに『M-1』の敗者復活戦が迫ってきました。

中村:まさかラストイヤーまで『M-1』に出続けるとは思っていませんでした。最初の頃はパッと出場して優勝する光景を思い描いてたんですけど、年々エントリー数も増えてどんどん厳しくなっていって。「俺らは『M-1』に向いてないコンビなんや」と思ったこともありましたし、「もう出んとこうか」「コントやろうか」って言ってた時期もありました。

──「向いていない」というのは?

中村:感覚なんですけど、この大会に縁がないんやろうなって途中で思ってしまって。まったく結果が出なかったんですけど、2021年にボケとツッコミをフルモデルチェンジしたら初めて準決勝まで行けて、「あれ、何かいけるんちゃうか」と。

子安: 準決勝にいけたとき、達成感は得られるかなと思っていたんですけど、「もっと上に行きたい」っていう欲が出てきましたね。2022年は決勝に行く自信はあったんですけどダメで。今年はストレートで決勝に行きたかったですけど、敗者復活でなんとかチャンスを掴みたいですね。

──準決勝前、おふたりのYouTubeチャンネルでは、中村さんが弱音を吐いていましたよね。

中村:出るのが嫌で、嫌で。『M-1』の前はいつも「何でこんな仕事してんねやろう」と思うんです。命を削られるような緊張感で、正直「逃げたい」という気持ちしかないです。

「M-1キッカケで売れてる芸人ばかりなので、何としても結果を残したい」と意気込む中村

子安:僕ももちろん緊張感はありますし、「このネタ、ネットでみんな知ってるからウケへんのちゃうかな」とか考えてしまいますね。先輩方の好きなネタって何回見てもおもしろいですけど、やっぱり不安もあって。ただ、普段から舞台にたくさん立たせていただいているんで、ちゃんとできる自信を持ってやっています。

──2年前の初準決勝では、出番後に2人揃って号泣したそうですね。

子安:終わってすぐにカメラが来て「どうでしたか」って質問されて、まだ結果も出ていないのに喋りながら2人で号泣しちゃいました(笑)。「『M-1』に向いてない俺らがここまで来れた」「ちゃんとやりきってウケた」とか思ってたら先に相方が泣き始めて。今考えたらめっちゃ恥ずいです。

中村:袖にはけた瞬間、緊張が解けて膝から崩れ落ちてしまって。「怖かった」「がんばってきて良かった」とか、いろんな感情が混ぜ合わさって変な涙になりました。でもそのときは、泣くのも恥ずかしくないくらいギリギリでしたね。今年も準決勝の結果が出たあとに後輩が「お疲れ様でした」って来てくれて、そこでまた泣きましたし。『M-1』では泣いてばっかりですね(笑)。

──今回の敗者復活戦でヘンダーソンが入ったAブロックには、ロングコートダディ、ニッポンの社長、20世紀、華山という「よしもと漫才劇場」でともに切磋琢磨してきたコンビが多いですよね。そういう意味でものすごく残酷なブロックですけど、ここで勝ち上がったらドラマチックでもあります。

子安:直接ぶつかるのは確かに残酷と言えば残酷ですよね。だけど人のことを考える余裕もないし、とにかく自分のことだけを考えて挑みたいです。

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