M−1ラストイヤーで爆発なるか、へンダーソン「今が一番良い状態」

2023.12.23 19:00

お笑いコンビ・ヘンダーソン(左から子安裕樹、中村フー)

(写真4枚)

■ 少しずつ、ツッコミのプライドを削いで(子安)

──ヘンダーソンは2024年にNGKでの単独公演も決定し、チケットも好調な売れ行きだと聞きます。15年目にしてかなり良い波に乗っているんじゃないかと。

中村:自分たちも、今がコンビとして一番良い状態だと感じています。

──その調子の良さが感じられたのが、2023年2月にあった4年ぶり単独公演『変劇』。漫才の磨かれぶりもさることながら、1本目のネタ「変質者」でいきなり中村さんがズボンをずり下げて漫才して。

子安:ありましたね。

──さらに後半には、子安さんが事前に録音してきたという、キラキラ、ブリブリのアイドル曲『魔女っ子の歌』まで聴けて。「4年ぶりの単独でこんなことをやるなんて、ヘンダーソンって2人ともヤバいコンビなんや」と改めて思いました。

中村:「子安は変なやつ」とは同期から聞いていてたんですけど、僕の前ではあんまり出さないんです。でも、聞く話が「いつか捕まるんちゃうか」ってくらい変わっていて。だったらそういうネタを書こうと。子安さんの変な部分をもっと世間に知ってほしいし、子安さん自身もどんどん曝け出して欲しい。ありのままでやってくれと伝えています。

子安:最初はちゃんとしていたかったんですよね。っていうか自分で「変や」という認識もなかったし。

中村:7年くらい前、僕がボケで子安さんがツッコミやったときに「(役割を)入れ替えよう」と提案したんです。でもそのときは、子安さんのツッコミのプライドが高すぎて「俺は『もうええわ』と言うためにこの世界に入ったんちゃう」「『もうええわ』って言うくらいやったら芸人辞める」とか言い出して。僕も「なんやこいつ・・・」ってなったんですけど。

フットボールアワー・後藤に憧れ、ツッコミをするために芸人になったという子安。一時はコントを軸にしようと悩んだ過去を振りかえり「でも、漫才が好きやしなぁ」と漏らす場面も

子安:あのときのことはめっちゃ覚えてます。ただの反論だったんですけど、でも今思えばそういうプライドがあったんやなと思いますね。

中村:それからも結果が出なかったんで、もう何も言わずにボケとツッコミを入れ替えて・・・というか、もう僕がボケて自分でツッコミを入れるネタにして。子安さんは普通にしてたら良くって、それでも変なところが出るはずなんです。そういうやり方に変えたのが2年前。そうしたら『M-1』でも準決に行けて。ただ今でも子安さんのツッコミプライドをちょっと感じるときはありますね(笑)。

子安:フルチェンジした2年前は動画を撮って、周りに「これってボケがやる所作かな?」とか聞き回っていました。そういうことを何回も重ねていって、ちょっとずつツッコミさんのプライドを削いでいきましたね。

中村:それからさらに、子安さんの立ち位置についてもっといろいろ考えるようになりました。今は一応僕がツッコミで子安さんがボケ。それも器用なボケじゃなく、「ちょっと飛んでるボケ」。でも飛びすぎてもアカンし、その間にある良い塩梅のボケにいつも悩んでいます。

──子安さんって目ヂカラが強いから、ヤバイことを言ったらガチっぽく見えて余計おもしろくなりますよね。

子安:褒めてないですよね?(笑)

中村:いや、そうなんですよ! たまに僕が昔やってたボケを子安さんに言ってもらうんですけど、違和感があって。やっぱり子安さんに合ったボケがある。どうやって子安さんを変にしていこうか・・・そういうことを考えていると、最近はネタを作りが楽しくなってきました。劇場の出番前もツカミを耳打ちして、大声で出ていったり、やってもらうとおもしろいんです。

子安:大声を出すのとか、親が見たらびっくりするやろうなあとは思いますよ。「人にはやさしくしろ」とか、ちゃんとした教育を受けてきたんで(笑)。でも今相方が考える僕のキャラクターは、特にスッと入ってきますね。最初は戸惑いましたけど、今では周りに「そのスタイルが似合ってる」って言われたり、確かに前から「いきなり大声で喋るな」とかよく言われていたなって。

「敗者復活戦」ではAブロックに登場するヘンダーソン。ママタルト、ぎょうぶ、ロングコートダディ、華山、20世紀、ニッポンの社長と戦う

──そんなおふたりのキャラクターが乗ったネタが、ラストイヤーの『M-1』でどこまで通用するか、楽しみでならないです。

中村:若手芸人の方が良い、という人もいると思います。でも「遅咲きでもおもろいやつはいるんやぞ」というのを分かってもらいたいですね。『M-1』に振り回されている芸人はたくさんいて、この時期はピリピリするし、そこでコンビ仲が支障をきたすこともあります。自分らもそれくらい本気でやってきました。だからこそ最高のラストイヤーにしたいです。

子安:よく、「『M-1』がアカンかったら『THE SECOND』がある」と言われますけど、そこに出ることは考えず、思いっきりやります。一番悔いが残るのは、ちゃんとできへんかったとき。相方にネタを書いてもらっていますし、それで悔いを残すのはほんまに申し訳ないので。自分たちのパフォーマンスを全力でぶつけます。より大声を出してやります!

ヘンダーソンが出場する『M-1グランプリ2023』敗者復活戦の模様は12月24日・昼3時より、ABCテレビ・テレビ朝日系列24局で放送される。

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