多幸感いっぱいなのに不穏…朝ドラ・湖畔シーン撮影の裏側

2024.1.25 08:15

愛助へ妊娠を知らせる手紙を書くスズ子(趣里)(C)NHK

(写真2枚)

「スズ子さん! 早く来ないと僕は消えてしまうよ〜」

「お待ちになって〜愛助さ〜ん!」

スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)が「バカップル」全開でキャッキャとはしゃぐ姿に笑ってしまいつつ、なんとも眩しく儚げで、そして切ない。1月25日に放送された『ブギウギ』(NHK総合)第80話では、病気が再発した愛助が大阪の病院に入院することになり、東京から大阪へ向かう途中ふたりは旅行で箱根の湖畔を訪れた。

多幸感いっぱいなのに、どこか不穏で・・・このシーンの撮影の裏側について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

■ ふたりが撮りあった写真は、今後も大事なアイテムに?

福岡さんはロケ地について、「『箱根』という設定ですが、実際は琵琶湖の北のほうにある余呉湖という湖のそば、美しい風景のなかでロケをしました。週タイトルのとおり『ほんまに離れとうない』ふたりの切ない心情を明るさでくるみながら、束の間の幸せな時間を描けたのではないかなと思っています」と明かす。

観ているこちらも照れてしまうほどのラブラブシーン。演じる趣里と水上は撮影時、どんな様子だったのかとたずねると、「撮影隊の皆も笑っちゃうみたいな感じでしたが(笑)、趣里さんも水上さんもロケの時点で撮影してだいぶ長く、息もぴったりでしたので、ふたりの世界に入りこんで全力で楽しんでお芝居していただけたようです。とても微笑ましいいロケとなりました」と福岡さん。

しかし、「いつか僕らに子供がでけたら家族で来ような」「僕はきょうだい亡くしたから、4人は子供ほしいわ」「そんな想像してるときが、僕はいっちゃん幸せや」と、スズ子との将来の夢を語る愛助の言葉に、もしかしてこれがふたりの最後の幸せな瞬間になるのではないかという予感がよぎってしまう。

大阪の病院にて、スズ子との間に子どもが出来たとトミ(小雪)に話す愛助(水上恒司)(C)NHK

福岡さんは、「スズ子と愛助があらためて、離れがたい気持ちを強く感じるところを印象的に描ければ、という思いでこのシーンを作りました。切なくとも幸せなシーンになったのではないかなと思います。幸せの絶頂の瞬間をとらえた、ふたりが撮りあった写真は今後も大事なアイテムになっていきます」と、意味深に語った。

箱根旅行から東京に戻ったスズ子は産婦人科を受診し、愛助との子どもを授かったことを知る。今はその喜びを手紙で伝え、分かちあうしか術がない。スズ子、愛助、そしてふたりの子どもはどうなるのだろうか。

取材・文/佐野華英

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本