手土産を渡すとき「○時間並んで買ってん」と自慢、コレ関西人だけ?

2024.3.12 12:45

手土産を相手に渡すとき、つい自慢してしまう傾向にある(かもしれない)関西人

(写真4枚)

手土産をもらうときに、「いつも行列で、なかなか買えないお店のお菓子やねん!」などと言われたことはないだろうか。

取材・文/太田浩子
イラスト/よしださきこ

筆者は関西生まれの関東育ち、社会人になってから関西に戻り、現在は関西生活の方が長くなってきている。関東に住んでいた頃は、「興味のある人は自分で調べるだろうし、わざわざ自分から並んで買ったなんて言わなくてもいい」と思っていたが、関西生活が長くなってきたからだろうか?「朝イチで並んだの」「週末しか営業していないの」「半年待ちで手に入れたの」などと必ず伝えるようになった。

ただシンプルに手土産を渡せばいいところ、「いかに入手困難だったか」という説明を付け加えてしまう。これは関西人あるある?

はて、なぜだろう。理由を考えてみると、それを聞いた人が素直に「すごい!」と喜んでくれるからではないかと考えた。

◆ 8割弱の関西人が「言ってしまう」

一般的にはどうなのか、『Lmaga.jp』の公式Xで【関西の皆さんにアンケート】をお願いしてみた。

友人や訪問先、また取引先などに渡す「手土産」を数時間の行列に並んで買いました→渡すときに「これ、〇〇時間並んで買ってん」or「なかなか買えないやつらしい」など、つい何か言いたくなってしまう!なんてこと、ありますか?

『Lmaga.jp』の公式Xで実施した「手土産」にまつわるアンケート結果

この問いに対してアンケート結果は「言ってしまう」が63%、「我慢する(言いたい)」が15%、「言わない」が22%になった(合計520票)。つまり8割弱の人が言いたいのだ。引用ポストのなかに「言います! 恩に着せるんじゃなくて、大切な人に喜んでもらうためならなんぼでも並びます〜」というコメントが寄せられているのを見て、「そうだ、関西人は人に喜んでもらいたい人種なのだ!」と妙に納得。

つまり、渡す側は「大切な人に喜んでもらいたい」と思い、もらう側は素直に「そこまでしてくれてうれしい!」が表現できる人の間で成り立っている法則なのではないだろうか。

◆ 話題=列ではない? 百貨店に訊いた

販売する側は行列をどのようにみているのか。「阪急うめだ本店」(大阪市中央区)の広報さんに訊いてみた。まず「人気商品をご購入いただくにあたり、人気が集中してどうしても整理券やお並びいただく時間が発生してしまっています。お客さまにご迷惑をおかけしていることは大変申し訳なく思っています」としたうえで、こんな回答だった。

行列とプレゼントの関係について「割合については分かりませんが、プレゼントを購入されるために並ばれている方が多いです。新しいブランドがオープンした当初はご自分用に購入されて、そのあとギフト用にシフトしていく流れのようです」とのこと。

なぜ自慢したがるのか? 背景には周りの人を「喜ばせたい」という溢れんばかりのサービス精神が存在するのかもしれない

このことから「話題だから」や「並んでいるから」買うわけではなく、本当にオススメできるプレゼントを探しているという傾向も見える。「良いと思ったものをシェアしたい」そんな関西人気質が行列を作っているのかもしれない。

◆ おまけ「行列はゴメンだが、買いたい場合」

ちなみに同百貨店ではスムーズに買い物ができるように、たとえば「エシレ」や「赤福」などはインターネットで予約(阪急オンラインストアでの決済後、店舗で受け取り)ができるようにしたり、並ぶ場合も時間帯ごとに購入枠を区切って整理券を配布したりして、待ち時間をできるだけ少なくする努力をしているそう。誰かに贈る手土産の購入を検討している人にとっては朗報だ。

最後に、同百貨店で現在人気のブランドを聞いてみたところ、「マサヒコ オズミ パリ」「おさつどきっ」「カフェタナカ」と回答があった。「阪急さんのオススメらしいよ」と一言添えて、誰かに贈ってみては。

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