ブギウギ第23週振りかえり・マミーのマミーや

2024.3.8 19:30

とある女性を見つめるスズ子(趣里)と娘の愛子(小野美音)(C)NHK

(写真5枚)

「ブギの女王」と呼ばれるスター歌手となったヒロインが、戦後の日本をブギのリズムで明るく照らす姿を描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。3月9日の放送では、「マミーのマミーや」と題する第23週(3月4日〜8日放送)を振りかえる。

■ ブギの本場、アメリカ公演のチャンスを掴む

昭和25年(1950年)6月。スズ子は師と仰ぐ作曲家の羽鳥(草彅剛)からアメリカ公演の話を持ち掛けられる。夢のような話に驚くが、公演期間が4カ月と長期間のため、まだ幼い一人娘の愛子(小野美音)を連れて行くことはできない。

ブギの本場であるアメリカの観客の前で挑戦してみたいという気持ちがある一方で、愛子と離ればなれになることが心配でたまらないスズ子は返答に迷うが、悩んだ末にアメリカ行きを決断する。

離ればなれになることを嫌がる娘の愛子(小野美音)と向き合うスズ子スズ子(趣里)(C)NHK

スズ子の渡米が決まると、愛子は自分が日本に置いていかれることにすねてしまう。スズ子が旅立つ直前には「お見送りショー」が開催されて大いに盛り上がるが、愛子は相変わらずふてくされたままだった。そして出発の日、愛子と正面から向き合うスズ子だが、離れることを嫌がる愛子は「嫌や」と号泣。泣き叫ぶ娘を残し、スズ子は胸が引き裂かれる思いで家を後にする。

スズ子が泣く泣く我が子と別れてから3カ月、愛子は周囲の人々に支えられながら、家政婦の大野(木野花)とともに世田谷に構えた新しい家へと一足先に引っ越す。

一方スズ子は、アメリカで貴重な経験を積みながら、愛子との手紙のやりとりで日本への思いを募らせていく。そして4カ月間にわたったアメリカ公演を終えて帰国したスズ子は、ようやく再会した愛子を強く抱きしめ、親子は喜びを噛みしめるのだった。

■ 香川への帰郷、父・梅吉との最期のひととき

スズ子が帰国して1年が経った頃、香川にいる叔父の松吉(木内義一)から電報が届く。それは、がんを患って闘病していたスズ子の父・梅吉(柳葉敏郎)が危篤になったという報せだった。愛子を連れ、自身の生まれ故郷でもある香川へと急ぎ向かうスズ子。余命いくばくもない梅吉に以前の面影はなく、スズ子は父の弱った姿に心を痛める。松吉いわく、梅吉は遠く離れていてもスズ子の活躍をいつも誇らしげに自慢していたという。

孫娘の愛子(小野美音)の写真を撮ろうとする梅吉(柳葉敏郎)(C)NHK

東京から香川へ戻ってからは写真館を切り盛りしており、地元の人々に愛されながら繁盛していたのだという梅吉。父が大切にしていた写真が倉庫にあると言われたスズ子は、アルバムを見ながらその軌跡をたどる。

一方その頃、スズ子の亡き弟・六郎(黒崎煌代)が飼っていた形見の亀に導かれるように、愛子はひとりでこっそりと梅吉の部屋を訪れていた。梅吉は、力を振り絞って孫娘の姿を写真におさめると、二人は満面の笑みを浮かべる。そして、それが梅吉にとって最後の撮影となるのだった。

やがて医者から今夜が山だと聞かされたスズ子は、病床に伏す梅吉に語りかけ、自身の出自について独り言をつぶやき始める。かつて香川で自らの出生の秘密を知るも、実の娘ではないと知ってしまったことを両親には打ち明けないと誓い、胸にしまい続けてきたスズ子。

本当は最後まで伝えるつもりはなかったが、すでに梅吉は目を覚ましており、父娘の最後の語らいとして、互いに「本当の親子」であると思わせてくれたことに初めて感謝を伝え合う。

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1765516461777235987?s=20

■ 生みの母、キヌと15年ぶりの対面

梅吉が亡くなり、ほどなくして葬儀が執り行われる。葬儀に参列するスズ子は、杖をつきながら歩く初老の女性と目が合う。それは、15年前に一度会ったきりだったスズ子の生みの母・キヌ(中越典子)だった。当時は小さかったキヌの息子たちも、スズ子が姉とは知らないままだが、今では立派な青年となっていた。

生みの母であるキヌ(中越典子)と話すスズ子(趣里)(C) NHK

キヌと2人で話をすることになったスズ子は、多少のぎこちなさを残しながらも和やかに話し終えると、「ほな、また会いましょね」と微笑みながら別れを交わす。娘の愛子から、「あの女性は誰か」と問われたスズ子は、一瞬言葉に迷いながらも「マミーのマミーや」「愛子のおばあちゃんや」と告げる。

長い時間をかけて、ようやく自らの出自を受け入れることができたスズ子。そして、そっとその場を立ち去ろうとしていたキヌも、スズ子の言葉に様々な感情が入り交じった表情で振りかえると、涙を浮かべて微笑むのだった。

別れ際にたくさんの人々に見送られ、香川から東京へと戻ったスズ子と愛子。自宅で梅吉に撮ってもらった亀との写真を眺め続ける愛子に、スズ子はあるものを贈る。15年前に初めてキヌと対面した時に手渡された、スズ子の実の父・菊三郎の形見だという懐中時計を、今度はスズ子が「愛子が持っているのが一番ええ気がするわ」と託すのだった。

本作は、『東京ブギウギ』など数々の名曲で一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌や踊りを心から愛するヒロインが昭和を代表するスターとなり、激動の時代を生き抜いていく物語。

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