大阪・此花区に3m超えの「大型アート作品」、込められた思いは

2024.3.31 19:00

大阪の「正蓮寺川公園」内に設置されたアート作品『此花水龍』

(写真4枚)

アート作品で区外からの来訪者の増加促進を目指すプロジェクト「konohana permanentale 100+」の第1弾作品として、「正蓮寺川公園」(大阪市此花区)内にアート作品『此花水龍』が誕生。鮮やかな色味が目を惹く高さ3m超えの大型作品に込められた思いとは?

■ 「歴史を抱えながら良いものに」

かつて、環境汚染が問題視されていた「正蓮寺川」。そこに環境問題克服の象徴として今も拡張工事により広がり続ける「正蓮寺川公園」を舞台に、2025年に開催する『大阪・関西万博』を契機とし、アート作品の魅力により地域を盛り上げる同プロジェクト。将来にわたって100以上のパブリック・アートの設置を予定している。

同作品のお披露目会には、プロデューサーを務めた俳優の岡田准一と、制作を手掛けたアーティストの小松美羽氏が登壇。小松氏は日本の風土が生み出すもににこだわり、信州を拠点に山犬・狂犬・神獣をモチーフにした作品で国内外に知られている。過去には『24時間テレビ』のチャリティーTシャツなども手掛けており、立体のパブリックアートを手掛けるのは今回が初の試みとなる。

太陽の光を浴び輝く作品がお披露目されると、見物客から「おぉ〜!」と歓声が。小松氏は「ここに訪れる人たちに少しでも温かい気持ちになってもらいたいと思い、作品にはラメを使っていて。今日は此花日和で輝いて、『此花水龍』もよろこんでいるように感じられてうれしいです」と笑顔を見せた。

水流(=水)で悪いものを払いのけていく、美しく清らかに循環していくという意味を込め、渦巻いているデザインに。よく見ると、此花区の花である桜、チューリップなども描かれている。龍の口のなかには宝珠があり、こちらも災難を除き、悪きを祓い、淀さえも清らかな姿へと変換されていくようにという願いが込められている。 

土台となっている石はかつて「正蓮寺川」が汚染されていた際に出てきたものを使い、「歴史を抱えながら良いものに変わっていこう」、そして土台が滑走路のようにナナメになっているのは「未来に飛び立つ」とのメッセージを込めたそう。同アート作は、『大阪・関西万博』の開催地である「夢洲」にも目を向けている。

『此花水龍』の口のなかには…!

プロデューサーの岡田は、「小松さんがダメだったらこの話はお断りしようと思っていた。やっぱり力があるなと。この場所にこの作品があるだけで雰囲気がありますね」とよろこび、「負の遺産だったものを循環して良いものに変えていく、意識を変えていくということが、次の世代に残された僕らの役割だと思うんです」と語った。

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