「虎に翼」第4週振りかえり・屈み女に反り男?
女性弁護士を目指すヒロインが、同じ志を持つ仲間と法曹の世界に飛び込んでいく姿を描く連続テレビ小説『虎に翼』(NHK朝ドラ)。4月27日の放送では、「屈み女に反り男?」と題する第4週(4月22日〜26日放送)を振りかえる。
■ 女子部を卒業した寅子たちが法学部に進学する
1935年(昭和10年)、春。女子部を無事卒業したヒロイン・寅子(伊藤沙莉)たちは、「本科」と呼ばれる明律大学法学部に進学する。2年前に法改正が行われ、ついに女性も高等試験に合格すれば弁護士資格をできるようになったことで、寅子たちは一段と気合いが入っていた。
本科では、花岡悟(岩田剛典)や轟太一(戸塚純貴)たち男子学生が待ち受けていたが、花岡は意外にも寅子たちに好意的に接する。自分の偏見を恥じる寅子だったが、対して同級生のよね(土居志央梨)は疑いの目を持つ。
ある日、法学部の教授である穂高(小林薫)の代わりに、特別講師として大庭徹夫(飯田基祐)という弁護士が講義を担当することになる。徹夫は、寅子の同期の梅子(平岩紙)のであった。その日の授業は、未婚の女性が犬にかまれて顔に大けがを負い、両親が訴えたという判例を題材に進められた。
しかし、梅子をおとしめるような徹夫の言動や、それを聞いて喜んでいるような様子の男子学生たちに、寅子やよねは違和感を覚える。当の梅子はすっかり諦めている様子だが、男子が寅子たちを特別扱いするような発言も含めて、寅子は釈然としないでいた。
■ 親睦を深めるため、法学部の面々でハイキングへ
後日、法学部の親睦を深めるという名目で、寅子たちはクラスの皆でハイキングに出かけることになる。しかし、寅子は、花岡が寅子たちがいない場面で女性を見下す発言をしているのを耳にする。轟が「誠意がない態度はいただけない!男として恥じぬ行動をすべきだ、今の言葉を撤回しろ!」と説教したことでその場は収まるが、寅子は花岡をはじめとする男子たちの態度に溝を感じ、浮かない気持ちでいた。
ハイキングには、梅子の三男・光三郎(石塚陸翔)も一緒にやってきてみんなで楽しく昼食を囲むが、そのうちに男子学生たちが光三郎に梅子の夫に愛人がいることを誇らしげに話しはじめる。憤慨する寅子は、「男と同様に勉学に励む君たちを最大限敬い、尊重している!」と主張する花岡と口論になり、「私たちは特別扱いされたいんじゃない!」と反論。そして言い争いの末に、花岡は山道で足を滑らせて転落してしまう。
花岡が搬送された病院で、梅子は明律大学に入った理由や弁護士を目指す理由を寅子たちに打ち明ける。梅子の長男・徹太(見津賢)が、優秀な帝大生ではあるが夫にそっくりな冷たく人を蔑む性格に育ってしまったこと、そしてその姿を目にした梅子は夫と離婚し子どもたちの親権を得るため、なんとかその糸口を見つけようと弁護士を志したことを明かすのだった。
寅子たちはやさしく梅子を励まし、その会話を密かに聞いていた轟は、梅子や寅子たちの持つ強さや優しさといった人間性を好ましく感じていた。
■ 本心をさらけだし、心の距離が近づく寅子と花岡
花岡は怪我のため大事をとって入院することになる。寅子は責任を感じて連日見舞いに行くが、病室にはいつも先客がいるため花岡と顔を合わせられずにいた。一方、花岡は「寅子を訴える」と息巻くが、轟から非難されたことをきっかけに、女性に対して虚勢を張っていた自分を省みる。
しばらくして退院した花岡は、心では梅子たちを尊敬していながらも、自身の生い立ちや父や兄が優秀な弁護士であることへのプレッシャーや帝大生への引け目から、梅子でハイキングで失礼な態度をとったことを真摯に謝罪する。梅子はそんな花岡を受け入れ、やさしく肩を叩いて励ます。
その後、寅子と花岡は改めてハイキングでのことを互いに謝り、2人の心の距離は少し縮まる。正直な気持ちをさらけだした花岡に、寅子は「せめて私の前では、本当の花岡さんでいてほしいです」と伝えると、花岡からは「これじゃあ、また君のことばかり考えてしまうだろ」と返される。そんな花岡の言葉に、恋愛とは無縁だった寅子は思いのほか浮かれてしまうが、帰宅した寅子を待ち受けていたのは猪爪家に押しかける大勢の検察の姿だった。
■ 父・直言が逮捕、猪爪家に家宅捜査が入る
検察は「帝都銀行経理第一課長・猪爪直言を贈賄の容疑で勾留した」と、寅子の父・直言(岡部たかし)が逮捕されたことを告げ、証拠押収のための家宅捜査に訪れていた。寅子の母・はる(石田ゆり子)の気丈に振る舞おうとする姿を横目に、突然の事態に戸惑う寅子。そこへ、弁護士を目指している猪爪家の書生・優三(仲野太賀)が帰宅し、検察の家宅捜査に応じる。
父の無実を信じる寅子たち猪爪家の人々は直言の帰宅を待つが、事態はどんどん悪化。直言の逮捕は皮切りに過ぎず、世間を揺るがす大汚職事件、通称「共亜事件」へと発展していく。しかし、直言の弁護人はなかなか見つからず、沈み込む猪爪家。そこへ突然、花岡と穂高が猪爪家の中庭に姿を現して・・・。
◇
本作は、戦前戦後に女性法律家の草分けとして足跡を残した三淵嘉子(みぶちよしこ)さんをモデルに、日本初の女性弁護士でのちに裁判官となる一人の女性が、困難な時代のなかで仲間とともに道なき道を切り開いていく物語。土曜日はその週の振りかえり。
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