【光る君へ】ニーニー&隆家「混ぜるな危険」、竜星涼が初登場

2024.4.27 18:30

『光る君へ』第16回より、破天荒なエピソードが多い荒ぶる貴族・隆家(竜星涼) (C)NHK

(写真8枚)

吉高由里子主演で、日本最古の女流長編小説『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。4月21日放送の第16回「華の影」ではやんちゃな貴族が初登場し、有名な古典エピソードの再現や、思わぬ人物が光属性に転じたことなど、SNSが大いに盛り上がるトピックが連発した(以下、ネタバレあり)。

■ 第16回「華の影」あらすじ

関白・藤原道隆(井浦新)の娘で、一条天皇(塩野瑛久)の中宮となった定子(高畑充希)が暮らす「後宮」は、清少納言(ファーストサマーウイカ)をはじめとする若い女房や公達らが集まる、自由で文化的な空間となっていった。しかし定子の兄・伊周(三浦翔平)や弟・隆家(竜星涼)の、帝の母・詮子(吉田羊)にすら意見するというおごった態度は、貴族たちの反感を買っていく。

『光る君へ』第16回より、伊周や隆家から意見され表情の固まる詮子(吉田羊)と一条天皇(塩野瑛久) (C)NHK
『光る君へ』第16回より、伊周や隆家から意見され表情の固まる詮子(吉田羊)と一条天皇(塩野瑛久) (C)NHK

やがて「後宮」は放火事件が相次ぐようになるが、自分たちを妬む政敵の仕業と思った道隆は「私たちが暗い顔をすれば、相手の思う壺」と態度を改めなかった。さらに、庶民の間で広がる疫病すら「下々の者しかかからぬもの」と決めつけ、なんの対策も講じない。それに危機感を覚えた弟の道兼(玉置玲央)と道長(柄本佑)は、現状を知るために、みずから都を視察しに行くのだった。

■ ウイカ納言の「香炉峰の雪」再現にSNS湧く

歴史好きが大河ドラマを観て何に一番萌えるかというと、自分の知っている「あの有名な逸話」がビジュアル化された瞬間だろう(異論は認める)。この第16回で、予告の段階からSNSが色めき立ったのが、定子&清少納言コンビによる「香炉峰の雪は簾をかかげて見る」のエピソードだ。『枕草子』のなかでも非常に有名な、この2人の機知に富んだやり取りが、初めて大河ドラマで描かれるという貴重な瞬間に、私たちは立ち会えた。

『光る君へ』第16回より、「香炉峰の雪は簾をかかげて看る」のエピソードを再現した清少納言(ファーストサマーウイカ) (C)NHK
『光る君へ』第16回より、「香炉峰の雪は簾をかかげて看る」のエピソードを再現した清少納言(ファーストサマーウイカ) (C)NHK

SNSは予想通り「古文で習った『あの』名シーンが、と思うと胸熱・・・!」「平安文学オタ大歓喜」「これがなきゃ清少納言とは言えない」「定子の問いかけに応えた清少納言が賢いと言われているけど、先に問いかけた定子も教養が高いってことよね」「清少納言にとっては、今まで勉強してきたことと、宮中にいるために選んだことが『香炉峰の雪』の時に結実したのかな」などの熱い感想が並んだ。

そしてこの名シーンで、しれっと定子の弟・隆家役の竜星涼が初登場! 破天荒なエピソードが多い荒ぶる貴族・隆家の、その前フリとも言うべきやんちゃな雰囲気に「隆家、イメージ通りすぎる」「良い具合に狂ってるキャラぽくて良い」などの声に加え、かつて竜星が朝ドラ『ちむどんどん』で演じた役にかけて「平安に沖縄から来たニーニーがいるんだがw」「ニーニー隆家、ここでも安定の問題児で最高」という「混ぜるな危険」コメントもあった。

『光る君へ』第16回より、破天荒なエピソードが多い荒ぶる貴族・隆家(竜星涼) (C)NHK
『光る君へ』第16回より、破天荒なエピソードが多い荒ぶる貴族・隆家(竜星涼) (C)NHK

■ 汚れを強みに変えた藤原道兼の変化に称賛の声

ただこの隆家くんと、兄の伊周くん。定子はあれほどできた女性に成長したのに、帝の母を「女院」と呼び捨てにしたり、生意気な口を叩くなどのやりたい放題。そして父の道隆も、登場した当時のよくできた長男ぶりはどこへやら。自分たち家族への不満が吹き出してるのを察しても、「僕たちが悔い改めたら負けだよ!」と言わんばかりに開き直り、疫病の流行にも正常バイアスかけまくりで黙殺するという、典型的なダメ政治家となってしまった。

『光る君へ』第16回より、道長に高圧的な態度を取る道隆(井浦新) (C)NHK
『光る君へ』第16回より、道長に高圧的な態度を取る道隆(井浦新) (C)NHK

SNSでも、「『恨みの数だけ私たちが輝く』というパワーワード、自己肯定感高すぎワロタ」「相変わらず道隆解釈すげえぜ! 一段すっ飛んでる!」「完全に悪役のセリフだよ、道隆。中関白家は悪の組織みたいになってるよ」「自分の不手際を棚に上げてのパワハラをかます無能関白になってしまった」「もう頼りになる兄貴ではない」などの失望の言葉が。

今回で完全に株が底値になった感のある道隆に対して、わずかひと言で株を急上昇させたのが、まさかの藤原道兼だ。まひろの母を殺すなどの数々の汚れた所業で、完全に憎まれ役となっていた道兼だが、いつの間にか甥・伊周を諌めようとするほど、まっすぐ政に向き合うように。ついには疫病がはびこる街のなかに飛び込もうとする道長を「汚れ仕事は俺の役目だ」と制するという最高の兄貴ぶりを見せ、SNSは道兼わっしょい状態に。

「道兼めちゃめちゃ嫌いだったし、めちゃめちゃ嫌な奴って思ってたのに、今になってかっこいいにも程があるでしょ。ちょっと好きになっちゃう」「まさか道兼にときめくことがあるなんて思ってなかった」「すっかり生まれ変わったNEW道兼」「ここにきて光の兄さんになっとる」「覚醒道兼。格好いいセリフだけれどそれ・・・フラグ」などの称賛がぞくぞくと集まった。

『光る君へ』第16回より、強い光を受け影となる道隆(井浦新) (C)NHK
『光る君へ』第16回より、強い光を受け影となる道隆(井浦新) (C)NHK

父の敷いた汚れなき道を歩いてきたはずなのに、政治家としても人間としても完全に闇落ちした道隆。それに対して、父に汚れ路線を強いられたにも関わらず、最終的には光の方向へと進んでいた道兼。道長の2人の兄が、それこそ光と影のように、非常に対照的な人生を歩んでいることがハッキリと見て取れた。道長が非凡な政治家となるのは、この2人の背中を見て、無言のうちにいろんな教えを受けてきたからだ・・・と、のちのち気づくことになるかもしれない。

『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。4月28日放送の第17回『うつろい』では、道隆の体調がますます悪化し、その後継をめぐる争いが水面下で進んでいくところが描かれていく。なお、NHK総合は「衆院補選・開票速報」のため、午後8時10分からスタート。

文/吉永美和子

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