あれは何だったんだ? 大阪・道頓堀にあった謎のハーゲンダッツ

2024.5.19 07:00

1994年にオープン(1999年閉店)した「シルク・ド・ハーゲンダッツ戎橋」の店内(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

(写真10枚)

1984年に「ハーゲンダッツアイスクリーム」が日本で販売されてから、今年で40周年を迎える。「40周年か〜!」と驚きながら、ふと思い出したことがあった。筆者(1987年生まれ)が小学生の頃、叔母に連れられて、「サーカスのような、屋内遊園地のようなハーゲンダッツショップで、動くソファに乗りながらアイスを食べた」ことが記憶の片隅にあった。

たしか、大阪・道頓堀の戎橋あたりだったような・・・。家族に覚えているか聞いてみると「確かにそんなんあったな」とのことだが、詳しくは覚えていなかった。一体、あれは何だったんだろう? 「ハーゲンダッツ ジャパン」の広報担当者に聞いてみた。

■「エンタメ」としてアイスを楽しめる場所として話題に

「ハーゲンダッツアイスクリームを最高の状態で味わえる場」として、1984年に第1号店を東京・青山にオープンして以来、日本全国に店舗を拡大した「ハーゲンダッツショップ」。最も多いときは国内95店舗まで拡大したが(1994年4月時点)、2013年にショップ事業が終了し、すべて閉店した。

カフェ形式のショップでのみ食べることができたメニュー。写真は「ハーゲンダッツ&エスプレッソ」(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)
カフェ形式のショップでのみ食べることができた「ストロベリーミルフィーユ」「キャラメルクランチパフェ」(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

歴代店舗のなかでもユニークなコンセプトのショップがいくつかあったそうで、筆者の記憶にあった「サーカスのようなショップ」はそのひとつだった。日本で2番目のフラッグシップショップ(旗艦店)、そして世界最大規模のフローズンデザートショップとして、1994年にオープンした「シルク・ド・ハーゲンダッツ戎橋」だ。

「シルク・ド・ハーゲンダッツ戎橋」の店内。筆者は左の動くソファに乗って食べた記憶がある(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

フランス語でサーカスを意味するショップ名の通り、店内にはメリーゴーラウンドや、声に反応して動く空中ブランコなどがあり、「エンタテインメント感覚でアイスクリームを楽しめるお店」として話題に。

担当者は「同店がオープンした当時、ハーゲンダッツは1984年に日本で販売開始してから10年経ち、スーパープレミアムアイスクリーム市場という新たな市場を創造し、業界におけるパイオニアとしての地位を確立した状況でした。そこで、シルク・ド・ハーゲンダッツ戎橋を通じて、アイスクリーム文化の情報発信やスーパープレミアムフローズンデザート市場の活性化や創造が店舗誕生の背景としてありました」と振りかえる。

1994年にオープン(1999年閉店)した「シルク・ド・ハーゲンダッツ戎橋」の店内(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

同店は1999年に閉店したが、ちょうどショップ展開のピークにあたる1994年にオープンしてから約5年間、ブランド認知という役目を十分に果たしたと思われる(小さい頃の記憶に強烈に刻まれていたし・・・)。

■ 覚えてる? 関西の個性派ハーゲンダッツショップ

関西圏にはこれまで56店舗(うち花博のイベント会場での期間限定店舗も含む)展開しており、西日本初のハーゲンダッツショップは、大阪・ミナミの待ち合わせスポットの定番「旧ロケット広場」前にあった「なんばシティ店」(1985年オープン、2008年閉店)だった。

「ハーゲンダッツ dessert dessert 三宮店」。1995年に閉店した(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)
「ハーゲンダッツ dessert dessert 三宮店」のメニュー。アイスクリームとフルーツを組み合わせたテリーヌなど、新しい食べ方を提案していた(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

1989年には、当時珍しかったニンジンやカボチャのアイスクリームスープや、アイスクリームとフルーツを組み合わせたテリーヌなど、グルメな大人に訴求する新しい食べ方を提案する日本初のアイスクリームデザート専門店「ハーゲンダッツ・デザート・デザート 三宮店」がオープンしたことも(1995年に閉店)。

搭乗ゲート前の国内唯一の空港店だった、大阪・関西国際空港の「関西エアポート店」。2006年オープン、2009年閉店(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)
関西直営店舗1号店、兵庫の「つかしん店」。1985年オープン、2010年閉店(写真提供:ハーゲンダッツ ジャパン)

そのほか、ブッシュ米大統領(当時)夫妻が来店した「橿原ロードサイド店」(奈良/1992年オープン、2005年閉店)や、搭乗ゲート前の国内唯一の空港店「関西エアポート店」(大阪/2006年オープン、2009年閉店)など、関西にはさまざまなエピソードがある店舗が揃っていたようで面白い。

■ 40周年の感謝を込め、さまざまな試みを実施

そして今年、創業40周年を記念した特設サイトを公開。これまで日本で発売してきた歴代商品の全パッケージを閲覧できる『ハーゲンダッツミュージアム』のほか、おいしさやこだわりをリアルに体験できる「期間限定ショップ」のオープンや40周年限定商品の販売など、随時展開していくという。

ハーゲンダッツ ジャパンの担当者は「ハーゲンダッツは、日常のなかで『ちょっとした幸せが感じられる存在』として、多くのお客さまにご支持いただいています。40周年を機にこれまでの感謝の気持ちを込めて、体験型イベントショップ・プロモーション・40周年記念の限定商品、その他施策を通じてお客さまとの接点を増やし、しあわせな時間や体験を一緒に創っていきたいと考えております」とコメントしている。

5月20日まで「#ハーゲンダッツを語ろう」というキャンペーンをSNSで実施しているので、筆者のように「ハーゲンダッツショップ」に思い出のある人は記憶を辿ってみてはいかがだろうか。

取材・文/Lmaga.jp編集部

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本