年齢確認いるの!? みりん3種の見分け方、専門家に聞いた

2024.5.9 08:00

真ん中が酒類に分類される「本」みりん。左がみりん「タイプ」調味料、右がみりん「風」調味料(写真提供:キング醸造)

(写真2枚)

甘みやコクをくわえ、料理にツヤを出してくれる調味料「みりん」は、日本料理にとっては欠かせない存在だ。スーパーでは調味料コーナーに並んでいることもあり、何気なく手に取る人も多いはず。しかし、SNS上で「年齢確認をされた」という投稿があったことをきっかけに、「みりんって年確あるんですね」「そうなのよね・・・年確必要なのよね」など驚きの声も上がっている。

一方で、年齢確認をせずとも購入できるという意見も。「日の出みりん」で知られる「キング醸造」(本社:兵庫県加古郡)に、実際のところを訊いてみた。

■ 3種類ある「みりん」、見分け方は?

実は「みりん」と一口にいっても、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」の3種類がある。名前も似ていることから、見分けるのはなかなか難しそうだ。担当者によれば、「みりん風調味料」はアルコール分が1%未満のため酒類には該当せず、「みりんタイプ調味料」はアルコール分を10%前後含むものの、製造工程で食塩を加える「不可飲処置」を行っているため、酒類ではなく食品扱いになるんだとか。

いずれも年齢確認は不要となり、年齢確認が必要なのは「本みりん」のみ。アルコール分が14%前後あるため「酒類」として扱われるのだとか。

また、「本みりん」はアルコールを含むため、食材の煮崩れを防ぐ・臭み取りといった使い方もでき、「みりん風調味料」と「みりんタイプ調味料」は酒税がかからないため「本みりん」よりも安価で購入できるというそれぞれのメリットもある。

キング醸造「日の出みりん」公式サイトのスクリーンショットより。特徴を知って使いこなしたい!

この「みりん問題」が浮上した際、SNS上では「料理酒は『酒』とついているのに未成年でも買えるのはなぜ?」という声もチラホラ。担当者によると、こちらも「みりんタイプ調味料」と同じくアルコール度数は高いものの不可飲処置を施しているため、酒税法上の酒類には該当しないという。ただし、料理清酒など料理専用に造られた「清酒」は酒類になるため、注意が必要だ。

■ 本みりん、お酒として飲んでいいのか問題

「本みりん」はしっかりとアルコールを含んでいることがわかった。気になるのが、お酒として飲むのはOKなのかということ。現在は調味料としての効果に特化した「本みりん」が一般的だが、起源は戦国時代に中国から「蜜淋(ミイリン)」と呼ばれる甘いお酒だという説もあるという。

当時は「甘いお酒」として女性や強いお酒が苦手な人を中心に愛飲されていたと伝えられており、調味料として一般家庭に浸透したのはごく最近なのだとか。

担当者に聞いてみたところ、「あくまで調味料として製造しているため、飲用に関してはノーコメント」とのことだが、「昔ながらの製法にこだわった商品『純米本みりん』は、『お酒として飲めるほどにおいしい調味料』というつもりで発売しております」とコメントしている。

取材・文/つちだ四郎

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