新・鬼平役の松本幸四郎「ある意味運命だと、天命だと信じて」

2024.5.11 16:00

映画『劇場版 鬼平犯科帳 血闘』の舞台挨拶に登壇した十代目松本幸四郎(5月11日・大阪市内)

(写真2枚)

池波正太郎生誕100年記念作品として制作された映画『劇場版 鬼平犯科帳 血闘』の公開記念舞台挨拶が5月11日、大阪市内の映画館でおこなわれ、主演の歌舞伎役者・松本幸四郎、市川染五郎、中村ゆりが登壇した。

1969年に初代松本白鸚(八代目松本幸四郎)主演で映像化されて以来、丹波哲郎、萬屋錦之介、二代目中村吉右衛門が演じてきた『鬼平犯科帳』。今なお愛され続ける時代劇の金字塔で、今回の劇場版では十代目松本幸四郎が鬼平こと長谷川平蔵を演じ、過去と現在を交錯させながら、なぜ平蔵が鬼平と呼ばれるようになったのかを描いている。

初代松本白鸚を祖父に、二代目中村吉右衛門を叔父にもつ幸四郎は、「祖父が初めて長谷川平蔵をつとめ、叔父の吉右衛門が長い間、多くの作品を作り上げました。それを私がやるという話をいただいて、ある意味運命だと、天命だと信じて取り組ませていただきました。今の時代だからこそ、鬼平犯科帳という人間ドラマが必要だと思われる作品を、スタッフ、キャスト一丸となって作り上げることができました」とコメント。

劇中では激しい殺陣にも挑んだ幸四郎。「殺陣というのは鬼平を演じるにあたって非常に大事なテーマだと思っておりまして。この劇場の大スクリーンで見ていただくことにプレッシャーはありました」と語るとともに、「時代劇というエンタテインメントですので、リアルにするだけでなく、魅せるという。どうやったら成立できるか、どうデコレートしていくか。殺陣師の清家さん、山下監督に感謝したいと思っております」と胸の内を明かした。

また、同作には幸四郎の長男である市川染五郎も出演。「若き日の鬼平」である長谷川銕三郎を演じた。「自分の好きなことに熱くなってしまう、突っ走っちゃうところは似てるかもしれないですけど。普段はあんなに暴れてません(苦笑)。普段の自分とは違う役だったので、それが逆にやりがいがあって。骨太な荒々しい役の方が演るのも観るのも好きなので、この役に出会えたのはうれしいですし、愛着のある役になっています」と語った。

松本幸四郎による新『鬼平犯科帳』は、テレビスペシャル1作品、劇場映画1作品、連続テレビ誌リース2作品の計4作品がシリーズ1として制作される。劇場版は5月10日に公開され、全国の映画館にて上映中。キャストには幸四郎らのほか、仙道敦子、火野正平、志田未来、松本穂香、北村有起哉、中井貴一、柄本明が名を連ねる。

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