マハラージャン「ふざけてて格好いい、オモシロ音楽とは違う」

2024.5.25 20:30

マハラージャンプで撮影に挑むマハラージャン

(写真5枚)

コミカルなタイトルとファンキーなサウンド、そして、美筋女子・みさみさが印象的なMVで、ディープインパクトを世にぶっ放したマハラージャンのメジャーデビュー作『セーラ☆ムン太郎』(2021年)。その後も、日本中が「ジェイソン村田って誰だよ!」とツッコんだ『持たざる者』、衝撃的なフレーズを洒脱なベースラインで昇華した『君の歯ブラシ』、謎のテーマでジャミロクワイに肉薄した『蝉ダンスフロア』など、スタイリッシュで変態的な秀作を量産した。

スパイシーで独創的なワードセンスと音楽への深い造詣に裏打ちされたサウンド・プロダクションは、ここ数年の新人アーティストのなかでは群を抜いたオリジナリティだったが、サラリーマン風のスーツ姿になぜかターバンを巻くという異端なルックスもあって、どこかつかみ所のない存在でもあった。そんな彼の素顔に迫るべく、キャンペーンで大阪を訪れたマハラージャンに話を訊いた。

写真/木村正史

◆「今作はダンスミュージックに戻ってきつつ・・・」

──2月に発売されたアルバム『ミーンミーンミーン☆ゾーンゾーンゾーン』。まさに会心の出来だったんじゃないですか?

ありがとうございます。自分でもいいものができたなと思ってます。

──デビューアルバム『僕のスピな☆ムン太郎』(2021年)は、とにかく自分が出来ることをやってみて、みんなが面白がってくれるんだという確信を得た作品だったと思うんですね。で、翌年のアルバム『正気じゃいられない』(2022年)ではサウンド的な振れ幅を広げ、それを深く推し進めたのが今回のアルバムだったのかな、と。

そうですね。そういう解釈で近いと思います。これまではやりたいこと、やれることが結構ごちゃまぜになってて。ホントはダンスミュージックだけをやりたいんですけど、それだけになると自分も聴く人も飽きるなと。あと僕、椎名林檎さんが好きなんですけど、いろんなジャンルをやられているじゃないですか。かと言って、ごちゃごちゃな印象もないので、別にほかのジャンルをやっても大丈夫なんだなと勝手に思って、いろいろやってます。

という風にやっていたのが、2枚目までで。今作は、若干のマニアックさはあるかもしれないんですけど、ダンスミュージックの方向に戻ってきつつあって。あと、水曜日のカンパネラのメンバーで音楽プロデューサーのケンモチヒデフミさんとコラボさせてもらったのが個人的には大きかったですね。毎回、幅は出したいんですけど、そういうコラボによってもっと幅が出せるんだなと思いました。

インタビューに答えるマハラージャン

──ケンモチさんとのコラボは、ほかの凄腕ミュージシャンとの共演とはまた違って、音楽の面白さに対するシンパシーみたいなものもあったのかなと。

そうですね。僕の場合は毎回、皆川真人さんやOKAMOTO’Sのハマ・オカモトさん、OvallのmabanuaさんとShingo Suzukiさん、石若駿さんといった凄腕ミュージシャンに参加していただいて、そういう意味ではコラボっぽい部分はあるんですけど、ケンモチさんは作家性がめちゃくちゃ強いんですよね。それが一緒にやるときに、いい化学反応だったなと思いますね。

──ケンモチさんとなら、コンセプトの段階からいろいろやり取りができたんじゃないですか?

やっぱりトラックメーカーという時点で、全然方向性が違いました。あとは、ケンモチさんも音楽的に面白いことをすごくやろうとしてくれて。それが良かったなと思います。何度も連絡を取り合いながらやってました。

マハラージャン『ラジオネーム オフトゥン大好き(feat.ケンモチヒデフミ)』
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