兵庫で「虫への愛」が溢れる展示会、戦国時代などの作品140点

2024.6.27 07:00

画巻《土蜘蛛草子》江戸時代(1837 年写し)、国際日本文化センター蔵

(写真9枚)

古来より、日本の人々にとって身近な存在であった「虫」。そんな虫の多種多様な作品資料が揃う展覧会『虫展』が、8月9日より「市立伊丹ミュージアム」(兵庫県伊丹市)で開催される。

同展では、江戸時代を中心とする「虫作品」約140点が集結。ときには人の暮らしに利活用され、一方で神仏のように崇められ、化け物として畏れられ・・・身近ゆえに、さまざまな思想や文化のなかで登場してきた虫たちのおもしろさが紹介される。

戦国時代には、鍼術の秘伝書としてユニークな「腹の虫」が描かれている。人の身体のなかに巣喰って病を起こすと信じられており、現代では絵本やグッズなどにも展開されている。また、玉虫の姫を巡る虫たちの恋争いを描いた「虫」が主役の物語絵巻や、虫たちが歌の優劣を競い合う様子が描かれた「虫歌合絵巻」など、虫を擬人化したような作品なども。

『栗氏千虫譜』江戸時代(写本)、西尾市岩瀬文庫蔵

ほかにも、戦国武将が身につけた「虫モチーフの武具」をはじめ、江戸時代に本草学者や博物学者だけでなく、大名や武士たちが手掛けた虫の図譜「虫譜」なども展示され、虫の奥深さに魅了された人々の「虫愛」も垣間見ることができる。

『虫展』は8月9日から9月29日まで開催(会期中、展示替え等あり)。チケットは一般1000円ほか。

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