どんなキャラも空也上人に!? 六波羅蜜寺のLINEスタンプ

2024.7.4 08:00

話題になったLINEスタンプ。送りたい相手とのトークを開き、使いたいスタンプを長押しして、上に表示された枠内にスタンプをドラッグして組み合わせることができる。最大6個まで組み合わせ可能

(写真5枚)

先日、メッセージアプリ「LINE」の新機能として装備されたのが、LINEスタンプのアレンジ機能。複数のスタンプを合体させることができるもので、リリース直後にはさまざまなスタンプを組み合わせ、オリジナルの使い方で楽しむユーザーたちの様子がSNS上で多く見受けられた。

なかでも「どんなキャラクターも空也上人になれる」と話題になったのが、京都にある真言宗智山派の寺院「六波羅蜜寺」(京都市東山区)の公式スタンプだ。同寺院の開祖である空也上人が「南無阿弥陀仏」を唱えたものがお釈迦さまとなって出てきた様子を表現したもので、それを好きなキャラクターと合体させる人が続出した。

空也上人のLINEスタンプがあったことに驚きつつも、斬新すぎる使い方に「これはありなのか!?」と率直な感想を抱いた。実際に同寺院ではどのような見解をお持ちなのだろうか。お寺の担当者を直撃し、話を聞いた。

■「すごいなぁって驚きました。住職も試してましたよ」

──LINEスタンプでみなさんがいろいろなキャラクターを合体させていたことがもちろんですが、ゆるかわいい絵柄のスタンプがあるなんて知りませんでした。

このLINEスタンプは、2022年に東京国立博物館で『空也上人と六波羅蜜寺』の特別展がおこなわれたときに、広報活動用に出したものなんです。

ゆるくてかわいらしい絵は、『BOSATSU BRAND』を展開されている夏野子(カノコ)さんが描いてくれました。仏像やお寺を楽しく、親しみを持ってもらいたいという気持ちでされているブランドです。

空也上人のイラストがあしらわれたマグカップ(2000円)

──確かに親しみが湧きました! ただ、ほかのスタンプと組み合わせて使うというのは、いいのかな・・・!?と、ちょっと戸惑いました。

LINEスタンプを組み合わせる使い方は、お寺でも話題になりました! こんな使い方ができるようになったなんて、すごいなぁって驚きましたね。

私たちとしては、空也上人に敬意をもってお使いいただければ、自由に使ってもらえたらと思っています。住職にもこの使い方のことを教えたら、住職も試してましたよ。

──まさかのご住職も試されていたのですね! ちなみに、どんなシチュエーションでの使い方がおすすめなどはありますか?

これも特になくて、自由に使ってもらえたらと思います。このスタンプを通して空也上人を知ってもらったり、思い出してもらえたりしたらうれしいですね。

──ポップでかわいい絵柄なので、若者にも人気がありそうですね。

そうなんです。スタンプも好評ですし、今はお皿やマグカップ、シールなどのグッズにも展開しており幅広い年齢層の方にもお手に取っていただけています。

コロナ前までは空也上人をあまりご存知でない方も多く、またご来山される方も仏教にかなりご関心のある方が多かったのですが、最近では空也上人知っているという方が、以前よりも増えたように感じています。

──2023年は「JR東海」の『そうだ京都へ行こうキャンペーン』でも大活躍しておられましたね。

CMの出演をはじめ、47人の空也上人パネルが東京駅八重洲口に安置された『空也上人大集合展』が話題になり、多くの方が駆けつけてくださいました。限定配布されたアクリルスタンドも、たくさんの方に並んでいただきました。

■ 空也上人の思いが、現代人の心に刺さる?

──なぜ今の時代に空也上人が注目されているのでしょうか?

空也上人が生きた時代とコロナ禍が似ていたのではないかな、と感じています。空也上人は疫病が流行った時代にいらっしゃいました。

疫病の流行を抑えるために、新しく井戸を掘って綺麗な水を使うように指導したり、観音様を車に乗せて病の人を回ったりと、自分のことよりも人のことを優先されたお方です。人のためになることを生きがいにされていました。そういった思いが現代の人にも刺さるのではないかと思います。

「六波羅蜜寺」(京都市東山区)写真提供:六波羅蜜寺

──周りの人を思いやる心、忘れないようにしたいです。

こういった人のためになることは、人間が生きるうえで忘れてはいけないことだと思います。今回インターネットで話題になったことで空也上人のことを知っていただいたり、お寺にご来山していただいたり、LINEスタンプやグッズなどでふとしたときに空也上人を思い出していただき、ちょっとでも周りのために何かしようと思ってもらって、それが広がっていけばうれしいです。

今年の11月3日〜12月5日には、ご本尊で国宝の「十一面観世音菩薩立像」のご開帳も。12年に一度の貴重な機会となり、御開帳記念グッズ第2弾として6月27日より限定のご朱印帳が登場。今後も記念グッズが発売予定となっている。

取材・文・写真/野村真帆

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