水田航生、プライベートは「聞き役に徹する」…新作舞台に意欲

2024.7.9 20:00

俳優・水田航生(7月8日、兵庫県内撮影)

(写真3枚)

現在、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に、ティボルト役(Wキャスト)で出演中の俳優・水田航生。そんな彼が次に挑戦するのは、「SF作品の金字塔」と言われる、カレル・チャペックの戯曲をベースにした舞台『ロボット』だ。兵庫県内でおこなわれた会見で、意気込みを語った。

■ 楽しみと恐怖感?「予言書を読んでるんじゃないか」

「3幕目の、1人生き残ってしまってからのお芝居は、本当に難しいと思う。まだイメージし切れないけど、今から膨らませていかなきゃと思います」と気合を入れた水田(7月8日、兵庫県内撮影)

チャペックが1920年に発表した『ロボット』は、人間の代わりに働く、人間そっくりの機械を、「ロボット」と名付けた最初の作品として有名。人間とロボットの対立を通じて、鋭い文明批判と、驚くべき未来予想図を描き出す。今回は岸田國士戯曲賞作家・ノゾエ征爾が、2024年現在に上演することを意識した、不条理な現代劇に転換していくという。

もともとSF好きだという水田は、チャペックの戯曲を一読して「予言書を読んでるんじゃないか」と感じたそう。「今はAIが人間の仕事をまかなったりしていますが、それによって人間になにが起こるのか? という、その先の話を書いているんです。これがSFではなくドキュメンタリーになってしまうのでは? と、ワクワクと恐怖が同時に押し寄せる感覚になりました。この作品を今の時代に届けることをうれしく思いますし、とても意味があることだと思います」と語る。

■ 不安なときの解決法は「睡眠」!?

俳優・水田航生(7月8日撮影)

水田が演じる建築士・アルキストは、ロボットの反乱後に唯一生き残る人類というヘヴィーな役どころ。前半の、人間とロボットの関係や差異などについて議論が展開されるところでも、状況を客観的に眺めている存在だが、水田はそこが自分と重なるという。

「常に傍観している男という印象です。登場人物たちが若干常軌を逸してる部分があるなか、彼が疑問に対して深掘りをしてくれたりするので、今を生きている人たちと一番近い感覚の人なのでは。僕自身もいつも中心には立たず、わりと傍観したり聞き役になったりするので、そこは近い部分」と分析した。

ちなみにアルキストは「不安になるとレンガを積み上げる」という習慣があるが、水田の場合は「寝ます!(笑)」と一言。普通は不安だと眠れないのでは? と思いきや「睡眠は意外とさまたげられないのが強みです。ある意味不安が解消されるのかも。ある先輩には『無意識にそういう風にできるのは、本能的に不安の逃がし方が上手なんだよ』と言われました」と、驚きの能力を明かした。

水田以外には、朝夏まなと、菅原永二、渡辺いっけいなどが出演。11月の東京公演を経て、兵庫では12月14・15日に「兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール」(兵庫県西宮市)で上演。チケットは9500円で、9月15日から発売開始。

取材・文・写真/吉永美和子

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