「文学性の不一致」で、まひろとききょうが分裂【光る君へ】

『光る君へ』第29回より、「皇后様に影などはございません」とまひろ(吉高由里子)に告げる清少納言(ファーストサマーウイカ)(C)NHK
平安時代の長編小説『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を、吉高由里子主演で描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。7月28日放送の第29回「母として」では、まひろの夫・藤原宣孝に悲劇が降りかかり、ききょう(清少納言)との間にも歪が生まれるなど、まひろの環境が大きく変わる回となり、SNSもそのたびに盛り上がった(以下、ネタバレあり)。
■ 為時が越前守の任期を終え…第29回のあらすじ
久々にまひろの家を訪ねてきたききょう(ファーストサマーウイカ)は、まひろの言葉がきっかけで生まれた、定子(高畑充希)との美しい思い出をつづった書き物を持参。ききょうはこの文章を、藤原道長(柄本佑)に一矢報いるために書いたと打ち明ける。一方、越前守の任期を終えたまひろの父・為時(岸谷五朗)は、引きつづき官職を得ることはできず、まひろの夫・藤原宣孝(佐々木蔵之介)は、当面は自分が一家を支えると誓う。

しかし宣孝は赴任先で急逝し、まひろは宣孝の北の方の使いを通じて、それを知らされた。道長はまひろたちを支えるため、為時にお抱えの漢文の指南役になるよう、百舌彦(本多力)を通して依頼。為時は、道長と深い仲だったまひろの気持ちを推しはかって拒否するが、まひろは娘・賢子(永井花奈)を育てるために話を受けるべきと、為時を説得。そしてまひろは、賢子が物語に関心を持つ姿を見て、自分でも物語を作りはじめるのだった・・・。

■ 宣孝様、まさかの「報告死」…妾のつらさも描写
パリオリンピックのスケートボード予選が、なんの前置きもなく大河ドラマになったため「20時ちょうどにパリから京へ瞬間移動」「スケボからノータイム大河」と、この時期ならではの湧き方をした第29回。しかしはじまってまもなく、佐々木蔵之介が演じるまひろの夫・宣孝が、知らぬ間に逝去して弔いまで済ませたということが、使いから報告される・・・という、まさかの「報告死」の展開に、SNSはこれまでにないほどの衝撃が走りまくった。
「は!? 宣孝殿ナレ死!?!!? はぁ!?!!!」「先週の睡眠時無呼吸症候群がいけなかったんや」「株がクッソ上がってきたところでお前」「宣孝様が死なないと紫式部は誕生しないと知ってても辛いなぁ」「居なくなってみるとあんなに優しくてまっすぐな人は他になかったなぁって実感する」「宣孝様ロスしんどいから毎週1回はワイプであの変顔写して」などの、嘆きの言葉があふれた。

そのショックに輪をかけたのが、北の方から最期の詳細を一切知らされなかったこと。これを「真実を妾などには教えない」という意地と取るか、「辛いことは自分が引き受ける、他の人にはいい思い出だけを持っていてほしい」という優しさと取るかは、北の方本人が登場しなかったこともあって、真意はわかりかねる。ただどちらにせよ、あらゆることにおいて「真実」を知りたいと思う性分のまひろには、耐えがたいことのように思えた。

SNSでも「豪放で快活だった姿だけを心に残してほしいと告げた想いに、見も知らぬ北の方の宣孝様への大きな愛を感じてしまって打ちのめされた」「本妻と妾の差といえばそうだけど、本妻の方もなんとか葬儀までは済ませたけど受け止めきれてないんじゃないか」「弔いが終わった後に伝えるのは正妻マウントにも思えるし、本当に良い思い出だけを持っていて欲しいという気持ちも有るかもしれない」などの、さまざまな考察が上がっていた。
■ 紫式部と清少納言、2人の軋轢はここから?
そんな宣孝殿の北の方と、どうも話が合いそうなのが、久々にまひろの元を訪ねてきた、清少納言ことききょうだ。まひろの提案でつづったエッセイで、定子の輝いていた姿だけを描写。そこで「影の部分が見たい」というまひろに対して、「皇后様に影などないし、あっても書かない!」とピシャリ。この「誰になにを言われても、推しのイメージは守る」という姿勢に、SNSではあっぱれという声が。
「影の部分など絶対に認めない強火過激派オタク清少納言」「『推し』に欠点なぞ無い。そのとおりでございます」「推しのマイナス面は書き残さないとか清少納言はオタクの鏡だな」「良いんだ、彼女は、『枕草子』はそれで良いんだ・・・!」「物語を編む小説家と、己の感性を書き記す随筆家の差」などの、共感の言葉が並んだ。

ただこの、描く対象に向かい合う姿勢と、道長に対する気持ちの食い違いが、2人の軋轢の原因になるのでは・・・という予感がした人も多かっただろう。紫式部は清少納言のことを、自分の日記で「偉そうだけど間違いが多い」「将来ろくなことにはならない」など、これでもかと言うほどディスりまくることになる。今までのまひろ&ききょうの関係からは、それが想像つかなかったが、どうやらここがそのスタートラインになるのかも。
SNSでも「まひろちゃんとききょうちゃんの作家としての方向性の違い。インスタグラマーとツイ廃民くらいデカい差がある」「推しの光の部分だけ描きたい清少納言と、闇も描いてこそ人間の奥深さが出るというまひろ、創作感の違いでサークルを解散するみたいな流れ」「これでまひろが左大臣(道長)の娘の元へ上がったら、まひろとの関係もこじれるでしょうねえ」と、2人の未来を案じる声が相次いだ。
物事の明るい面だけを見ることで救いを得る人もいれば、あえて闇を見ることで真理にたどり着こうとする人もいる。宣孝の死とききょうとのすれ違いは、まひろの作家としてのスタンスを無意識の内に決定づけたのではないだろうか。そして「娘のため」というモチベーションも重なって、ついに「物語」を作る気になったまひろ。それは果たして光る君の物語か? あるいはそのプロトタイプ的なものか? これは次週に注目だ。

なお今回で退場となった宣孝役の佐々木蔵之介は、主演舞台『破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~』が、8~9月に全国4都市で上演される。当時としては進歩的な考えを持った、異色の君主というキャラクターは、懐の深さが日本海溝レベルだった宣孝と、ちょっとかぶるところがありそうな気がするので、宣孝ロスに悩む人はぜひ足を運んでほしい。
◇
『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。8月4日放送の第30回『つながる言の葉』では、のちに「和泉式部」と呼ばれることになるあかね(泉里香)とまひろの出会いや、『枕草子』が宮中で流行することによって、道長が追い詰められていく姿が描かれる。
文/吉永美和子
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