安倍晴明、まさかの『源氏物語』誕生をアシスト?【光る君へ】

2024.8.8 18:30

「今、あなた様のお心に浮かんでいる人に会いにお行きなさいませ」と道長に告げる安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)(C)NHK

(写真8枚)

吉高由里子主演で紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。8月4日放送の第30回「つながる言の葉」では、道長の嫡妻・倫子の大胆な行動と、安倍晴明が『源氏物語』誕生の思わぬアシストをするところが描かれ、SNSも次々に巻き起こる予想外の展開に揺れた(以下、ネタバレあり)。

■ 自分が闇のなかにいると感じた道長は…第30回のあらすじ

一条天皇(塩野瑛久)は、皇后・定子(高畑充希)の死後4年が経っても、藤原道長(柄本佑)の娘である中宮・彰子(見上愛)には見向きもせず、定子の兄・藤原伊周(三浦翔平)にそそのかされるまま、『枕草子』に描かれた定子の思い出に浸るばかりだった。彰子のことを案じる嫡妻・倫子(黒木華)ともすれ違いが生じ、自分が闇のなかにいると感じた道長は、陰陽師・安部晴明(ユースケ・サンタマリア)の元を訪れる。

「今、あなた様のお心に浮かんでいる人に会いにお行きなさいませ」と道長(柄本佑)に告げる安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)(C)NHK

晴明の答は「今、あなた様のお心に浮かんでいる人に会いにお行きなさいませ。それこそが、あなた様を照らす光」だった。道長は、仲間の貴族たちにも相談。藤原行成(渡辺大知)が「『枕草子』を超えるおもしろい読み物があれば」と提案すると、藤原公任(町田啓太)は、自分の屋敷に出入りしている女が、おもしろい物語を書いていると言い出す。それは「前の越前守・藤原為時(岸谷五朗)の娘」、まひろのことだった・・・。

おもしろい物語を書く女子がいると道長(柄本佑)に話す藤原公任(町田啓太)(C)NHK

■ 母の執念…倫子様の大胆な行動にSNSで賛否

彰子が一条天皇の子を身ごもったのは、入内してから実に9年後。ここまで時間がかかった理由は、そもそも彰子が入内したのが、現在で言うとまだ小学5年生に当たる11歳なので、早熟な平安時代と言えども、さすがに「まだ早い」とブレーキをかけたのではないかということ。そして天皇が定子を忘れられなかったからというのも、少なからずあるだろう(ただ実際の一条天皇は、そうそうに定子の妹に手を付けて、懐妊までさせたりしたのだけど)。

しかしここで黙ってなかったのが、彰子の母で道長の北の方・倫子様だ。思えばこのお方は、一見おっとりしているように見えて、一目惚れした道長をあらゆる手段を使ってゲットしたという、ガッツにあふれるお嬢様だった。

一条天皇(塩野瑛久)に思いを伝える倫子(黒木華)(C)NHK

もちろん彰子が天皇に放ったらかしにされていることを静観するはずもなく、天皇に「あなたから歩み寄ってよ!」的なことをバシッと言い放った。温厚な道長くんすらちょっとキレるほどの、大胆すぎる行動はSNSで賛否が。

「帝に直訴とはなんと大胆な! 娘のために命を賭ける母の執念」「かしこく立ち回ってきた倫子様を揺さぶる、母としての愛情と失敗を知らぬプライド」「無敵のお嬢さまだった倫子が、娘のことでどうにもならない挫折を味わう。世のままならなさ」「確かに母として中宮さまをこのままにしておけないってのはわかるけど、さすがにそこまで言う?」「(伊周の)呪詛よりも倫子どののほうがこわい」などの、さまざまな意見が並んだ。

妻・倫子(黒木華)を見る道長(柄本佑)(C)NHK

そして返す刀で、道長に対しても「私のことなんか全っっっ然理解してないんだから!」とぶった切っていった倫子様。こちらにも「倫子さまがどんなにコミュニケーション取ろうと頑張っても、壁を作ってたのは道長の方なんだから、今更何言われてもおもねらずに行動するわな」「倫子さま、彰子を見ない帝に、自分を見ない道長を重ねている?」「道長くんに『分からん!』と言われた時の、寂しそうな倫子さま・・・涙」という同情の声があふれた。

■ 「安倍晴明」ルートだとは…『源氏物語』爆誕カウントダウン

そんなメンタルボロボロな道長くんに、今回もまた怪しいメンターのような役割を果たしてくれたのが安倍晴明だ。冒頭では、道長の寿命10年と引き換えに、命がけの雨乞いを決行。

その条件に、SNSでは「この悪魔との契約感大好きだわ」「兄たちや詮子の死をみている道長にとって、寿命十年は重い。だからこそ晴明も身を賭して修法する」「単なる即物的な損得ではなく、相手の覚悟を汲み取って、そこに価値を見出す辺り、実に晴明ですな」などの言葉が。

道長の寿命10年と引き換えに、命がけの雨乞いを決行した安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)(C)NHK

さらに今後の身の振り方を相談しに来た道長に「今心に浮かんだ人に会いに行けばいいよ」という、押しすぎて飛んでくんじゃないかぐらいに、力強い一押しを。

これにも「それは、まひろのことですか? そうですよね??」「晴明さんんん、見抜いてるううう」「やはりこの二人は結びつく運命にあるのですね」「まひろが後光を背負うイメージ」「まひろに会いに行けちゃう理由が見つかったー! ヤッホー!」と、晴明のGJぶりを称えるコメントが相次いだ。

まひろ(吉高由里子)に会いに来た道長(柄本佑)(C)NHK

まひろが物語を書くことに目覚めた時点で、もう『源氏物語』爆誕カウントダウンに入ったのは確実だったけど、そこから道長とのつながりを作るのが、安倍晴明ルートになるとは思ってもいなかった。てっきりまひろの旧友でもある倫子様ルートかと思っていたが、今回も雨乞いを見事に成功させるなど、ペテン師なのかマジの超能力者なのかが読めない晴明に導かれる方が、「避けられない運命」感が強くなるのは確かだ。

目の前に現れた道長(柄本佑)に驚くまひろ(吉高由里子)(C)NHK

そうして晴明に言われた通り、将来彰子と自分の運を切り開くまひろに会いに来た道長。さあソウルメイトの再会! ここからドラマが大きく動くよ!! と期待を高めたところで、またしても来週は放送休止とは・・・NHKはまひろと道長が劇的な再会を果たしたときに限って、休止をはさんで視聴者を極限までじらしてるんじゃないか? という疑惑が湧いてくるが、ここはオリンピックの結果も楽しみつつ、心をしずめて待機しておこう。

『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。次週の8月11日は、パリ・オリンピックのため放送休止。8月18日放送の第31回「月の下で」では、まひろが道長からの願いと、周囲の才女たちからの影響を受けて、ついに新しい物語を記し始めるまでが描かれていく。

文/吉永美和子

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