「怖すぎて帰れない…」神戸でおばけや妖怪、怪談テーマの催し

2024.8.17 17:00

「怪談売買所」で宇津呂さんから怪談を100円で購入。筆者は劇場やライブハウスに纏わる話をリクエスト(8月10日:新開地アートひろば)

(写真5枚)

おばけや妖怪、怪談をテーマにしたさまざまなジャンルの企画を実施するイベント『帰ってきたョ!新開地おばけひろば2024』が、9月8日まで「新開地アートひろば」(神戸市兵庫区)で開催されている。

「新開地アートひろば」は旧名称「神戸アートビレッジセンター」で、2023年4月にリニューアルオープンし、名称も変更。「子どもをはじめとしたあらゆる世代の人々の交流による、文化芸術の創造を目指す」文化施設として再スタートした。

イベント名に「帰ってきたョ!」とあるとおり、2023年に引き続き2回目の開催となる今回は、企画担当者曰く「大人が、子どもを連れていきたくなるイベント」を目指し、夏休みの週末を中心に、怒涛の13もの催しが開催される。

『帰ってきたョ!新開地おばけひろば2024』を企画した山本さん、葛西さん。怒涛のイベントラッシュもなんのその

■ 朝から晩まで1日「怪談売買所」宇津呂鹿太郎さんDAY

取材した8月10日は、尼崎市出身の怪談作家・宇津呂鹿太郎さんのイベントがなんと3つも開催。

朝8時から朝9時は「奇っ怪! 早朝怪談」、朝10時から昼12時半は「ぬらり! 怪談売買所」、昼2時から4時は「出たぁぁっ!宇津呂鹿太郎の怪談講座」、夕方4時半~夜7時は「ぬらり !怪談売買所」と、実質4コマも宇津呂鹿太郎さんの怪談イベントがほぼ休みなく続く力の入りよう。

特に「怪談講座」は反響が大きく、急遽当日に予定していた会場を大きな会場に変更するという出来事もあったものの、宇津呂さんは最後までエナジードリンクを飲みながら、この日の全ての予定を無事完走。この怪談シーズン真っ只中でも、売れっ子怪談作家はさすがだ。

SNSなどでも話題、怪談を売買する「怪談売買所」を体験。地下で宇津呂鹿太郎さんが待っていてくれた。

そのなかで、SNSを中心に度々話題となる「怪談売買所」を体験した親子は、「100円を出して怪談を買いました。前から書籍やYouTubeなどもチェックしていたのですが、なかなか機会がなくて。ようやくお会いできたので『とっておきの怖い話』をお願いしました」といい、「車に関する怖い話を聞いたんですが、かなりのパンチがありました。今から尼崎に帰るのに車に乗るんですが、子どもが怖がってしまって、帰りたがりません。それくらいめちゃくちゃ怖かったです」と怯えていた。

この日の「怪談売買所」は怪談を買う人が多かったそう。確かにいつまでも聞いていたい宇津呂さんのお話

■ 今後もおばけや妖怪、怪談テーマにしたイベント続々

今後の開催で特に注目したいのは『芸能ナイト in 新開地おばけひろば』だ。地蔵盆のハレの場を芸能を通じて楽しむこの催しには、昨年もこのイベントに出演した舞踏家の目黑大路さん(ゑびす大黒座)の「疫病神」が再登場。

さらに今年は、筑前琵琶奏者の川村旭芳さんによる小泉八雲怪談より「耳なし芳一」弾き語り、関東の盆踊りシーンを沸かせる民謡の唄い手の中西レモンさん、辺高正さん、河内家砂丸さん、新開地舞踊家劇団の共演による「江州音頭」と、一日限りのスペシャルパフォーマンスが披露される。

「江州音頭」は、現在、滋賀県を中心に盆踊りに用いられる音頭だが、今回テーマのおばけとも神戸ともあまり関係がなさそうだが、なぜ演目に入っているのか。

「映画館、芝居小屋が立ち並び『東の浅草・西の新開地』と言われる歓楽街だった新開地。昔は全国で盛んだった『江州音頭の興行』としての発祥の地、つまり最初の場所が新開地であると言われています。それが古い文献にも残っていました。そんな縁のある場所で聴く江州音頭をお楽しみに」と企画担当の山本和馬さんは語る。

『芸能ナイト in 新開地おばけひろば』は「新開地アートひろば」2階ホールにて、8月24日・昼2時から、夕方6時からの2公演。大人1000円、こども(18歳以下)は500円。各回100名定員。電話078-512ー5500か、公式サイトから予約フォームでの予約が必要。

帰ってきたョ!新開地おばけひろば2024

開催期間:2024年7月1日〜9月8日

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