大河「光る君へ」前回振り返り&第33回あらすじ「式部誕生」

2024.9.1 06:30

『光る君へ』第33回より、弟の惟規(高杉真宙)を見るまひろ(吉高由里子)(C)NHK

(写真7枚)

女優・吉高由里子が主演を務め、平安時代に長編小説『源氏物語』を生み出した女流作家・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。「式部誕生」と題する第33回(9月1日放送)では、「藤式部」という女房名を授かり、中宮・彰子が暮らす後宮「藤壺」で働き始めたまひろだったが、後宮での生活に戸惑いをみせる。

■まひろが中宮・彰子の女房となる…前回のあらすじ

主人公・まひろ(吉高由里子)が書いた物語は、左大臣の藤原道長(柄本佑)を通して一条天皇(塩野瑛久)に献上された。そして寛弘2年(1005年)。一条天皇と亡き皇后・藤原定子(高畑充希)の遺児である、修子内親王の裳着の儀式が行われる。この日、一条天皇はいまだ公卿に復帰していない定子の兄・藤原伊周(三浦翔平)を大納言の上座に座らせるように命じ、これによって道長を牽制しようとしていた。

さらにその後、一条天皇は道長を内裏の清涼殿に呼ぶと、公卿による合議制度・陣定(じんのさだめ)に伊周を参加させるよう命じる。陣定に参加するには参議以上と定められているため伊周の席はないと答える道長だが、一条天皇は道長ならば異を唱える公卿たちを説き伏せられるだろうと譲らず、道長は「難しきことながら、はかってみましょう」と答えざるを得なかった。一条天皇の去り際、道長は「過日、差し上げた物語はいかがでございましたか」と尋ねると、一条天皇は「ああ、忘れておった」と答えるのみであった。

『光る君へ』第32回より、物語を執筆するまひろ(吉高由里子)(C)NHK

落ち込む道長はまひろの屋敷を訪れ、まひろが書いた物語は一条天皇の心に留まらなかったようだと告げる。しかし、まひろは力が及ばなかったことを詫びるも落胆する様子はなく、はじめは帝に読んでもらうために書き始めた物語だったが、今は己が書きたいものを書こうと思っており、その心をかきたててくれた道長に深く感謝していると頭を下げる。まひろは、道長に物語を渡した後も、自分の心に次々と浮かび上がってくる創作意欲のままに物語を書き続けていた。

その言葉に、かつて「私は私らしく、自分が生まれた意味を探してまいります」と語ったまひろの姿を思い出した道長は「それが、お前がお前であるための道か?」と問うと、頷くまひろ。己の生きる道を見出したまひろが執筆に没頭する傍で、「・・・俺が惚れた女は、こういう女だったのか」と道長は心の中で呟くのだった。

続きを読みたいと道長(柄本佑)に告げる一条天皇(塩野瑛久)(C)NHK

その後、道長が自身の娘で一条天皇の中宮である彰子(見上愛)の暮らす後宮・藤壺を訪ねると、そこへ思いがけず一条天皇が現れ、「読んだぞ。あれは朕へのあてつけか?」と呼び止められる。「あれ」とはまひろが書いた物語を指しており、作者は問われた道長は、先の越前守である藤原為時(岸谷五朗)の娘であると答える。物語の中に唐の故事や仏の教えをさりげなく取り入れる博学ぶりに感心していた一条天皇は、作者がまひろであると知るとさらに興味を持ち、続きを読みたいと道長に語る。

それを聞いた道長は、これが一条天皇が彰子のもとに頻繁に訪れるきっかけになればと考え、まひろに彰子の女房にならないかと持ちかける。まひろは自分が「おとり」であるというのをわかった上で、一家の家計を考えると自分が藤壺で女房として働くべきだとして、その話を受け入れる。しかし、内裏は幼子の暮らす場にふさわしいとは思えず、娘の賢子を為時に預けて藤壺に上がることに決めた。まひろと顔なじみである道長の妻・源倫子(黒木華)も賛成し、まひろの宮仕えが決まるのだった。

晴明(ユースケ・サンタマリア)の見舞いに訪れた道長(柄本佑)(C)NHK

一方その頃、道長のもとに陰陽師・安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が危篤だと知らせが入る。道長が駆けつけると、床に伏せた清明は自分は今夜死ぬと予言。そして、「ようやく光を手に入れられましたな」とこの先の未来が盤石である告げると同時に、光が強ければ闇も深くなるのだと警告を残し、その日の晩に予言通り清明はこの世を去る。

『光る君へ』第32回より。火の手が上がり、逃げる一条天皇(塩野瑛久)と彰子(見上愛)(C)NHK

それからほどなくして、一条天皇から藤原伊周を再び陣定に召し出す宣言が出される。しかしその後、内裏に火の手が上がり、三種の神器の一つ「八咫鏡」が焼失。東宮・居貞親王(木村達成)は、これは伊周を内裏に戻した祟りであり「天が帝に玉座を降りろと言うておる」と道長に主張。その一方で、伊周は一条天皇に、出火は自分に不満を持つ者の放火だと告げると「信ずるに足る者は、私だけにございます」と言い聞かせるのだった。

第32回より。初出仕したまひろ(吉高由里子)だが… (C)NHK

そしてついに、まひろが内裏に出仕する日を迎える。父・為時は、一条天皇に認められて中宮に仕えることになったまひろは我が家の誇りだと話し、「お前が女子であってよかった」と伝える。幼い頃から為時に「お前が男子であれば」と言われて育ってきたまひろは、父のその言葉に強く胸を打たれる。その言葉を胸に初めて藤壺へ出仕するまひろだったが、迎える女房たちの視線は冷ややかであった・・・。

■第33回「式部誕生」あらすじ

左大臣・藤原道長(柄本佑)に頼まれ、まひろ(吉高由里子)は道長の娘で一条天皇の中宮である彰子(見上愛)が暮らす後宮・藤壺に住み込みで働き始める。さっそく物語の続きを書こうとするまひろだが、宮中での暮らしや周囲の騒がしさに慣れず、思うように筆は進まない。

『光る君へ』第33回より、彰子(見上愛)とまひろ(吉高由里子)(C)NHK

悩んだ末に、まひろは道長の反対を押し切り、屋敷にも戻って執筆することにする。その一方で、一条天皇(塩野瑛久)の命で除目の儀に復帰した藤原伊周(三浦翔平)が不穏な動きを見せ始めていた。数カ月後、まひろが書き進めた物語を持って藤壺を訪ねると・・・。

本作は、世界最古の女性による小説『源氏物語』の作者である紫式部が、秘めた情熱と想像力、そして生涯心を寄せる相手となる藤原道長への想いを原動力に、変わりゆく世を懸命に生きていく愛の物語。放送は、NHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。

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