道長暗殺? 三浦翔平演じる伊周が狙う逆転劇【光る君へ】

2024.9.13 18:30

三浦翔平演じる藤原伊周 (C)NHK

(写真8枚)

吉高由里子主演で『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。9月8日放送の第34回「目覚め」では、いろんな心配事を抱える藤原道長が、命がけの解決法に打って出ることに。そしてライバル・伊周の不憫さと、物騒な一発逆転の行動が話題となった。

■ 凶事が続くなか道長は…第34回あらすじ

大勢の僧侶を引き連れて上京した興福寺別当・定澄(赤星昇一郎)は、大和守と揉めている件について、速やかに陣定をおこなうよう道長を脅迫。道長がそれを突っぱねると、翌日僧侶たちが御所まで押しかけ、まひろが仕える中宮・彰子(見上愛)も避難するほどの騒ぎに。定澄と面会した道長は、興福寺が出した4つの訴えのうち、3つを却下。しかし定澄は「1つでもこちらの望みが通ったならば上出来」と、不敵に笑って去っていった。

笑う興福寺別当・定澄(赤星昇一郎)(C)NHK

しかしこの騒ぎ以降、藤原斉信(金田哲)や藤原道綱(上地雄輔)の屋敷が立て続けに火事になり、一条天皇の皇子・敦康親王(渡邉櫂)が病にかかるなどの凶事が続き、道長が望む彰子の懐妊の気配もなかった。道長は国家の安泰と男子誕生を祈願するため、金峯神社まで御岳詣(みかげもうで)に行くことを決意。それを聞いた藤原伊周(三浦翔平)は平致頼(中村織央)と組んで、道長を襲撃する計画を立てるのだった。

■ 定澄 VS 道長の駆け引き「現代でも見たことある」

前回のラストで勃発した「屋敷を焼き払い奉る」定澄 VS「やれるもんならやってみな」道長くんの対決の続きからはじまった第34回。定澄は道長の家ではなく、職場である大内裏に押しかけるという強硬手段に。やむなく交渉に応じた道長くんだけど、定澄の要求のほとんどをはねのけつつ、1つだけは「申文を再提出してね」ということで、なんとか事態を収めることに成功。辣腕政治家だった父・兼家(段田安則)を想起させる風格で、道長の成長を見せつけるシーンとなった。

興福寺別当・定澄(赤星昇一郎)と話す道長(柄本佑)(C)NHK

SNSでも「くう〜! 道長くん政治家〜!!!」「道長くん、根は三郎なのに、曲者相手にこんな胃が痛くなる政の交渉ばっかりなの、しんどいねぇ」などの称賛といたわりの言葉が寄せられたが、一方で定澄についても「無理なA案B案出して、マシなC案はとり敢えず検討させる、とかは現代の仕事の取引でもよくあるよな」「計算高い坊主めw」など、そのしたたかさに感嘆する声もあった。

まひろと話す道長(柄本佑)(C)NHK

さらにそのあと、道長がまひろの元を訪れて、割と無茶な頼み事をするに至っては「道長くんが癒やされたいがためにまっひーを宮中に置いてるようにしか見えん」「お仕事で心が疲れたから、まひろと会話してライフ回復しようとしてます?」「道長くんよかったな、しょっちゅうまひろちゃんに弱音を吐きに来られて。噂になっているからほどほどにな」などのツッコミが入っていた。

ちなみに定澄、このあと道長50歳記念の法会を仕切ったりするようになるので、道長とはきっちり和解したと思われる・・・という余談を記しておく。

■ 絶対嫌がられるだろ…伊周の行動に納得の声

その一方、実は今回一番不憫だったのではないかと思われるのは、家が燃えた斉信や道綱ではなく(同じポーズや表情で絶望していたのがおかしい)、本作きってのヒールとなっている藤原伊周。自分の息子・道雅(福崎那由他)に反抗的な態度を取られるだけでなく、将来の出世の希望となる甥・敦康親王も、自分より道長になついているという始末。これは逆恨みまったなしだけど、病気の見舞いに参考書を持ってくるような伯父は、絶対嫌がられるに決まってると、気の毒ではあるけど納得するしかなかった。

家が燃えた斉信(金田哲)。SNSで「虚無顔うますぎる」と話題になっていた (C)NHK

SNSでも「復讐(お門違い)にかまけた結果、息子からも親王様からも嫌われる伊周が哀れに思える」「親王様にとって伊周は、普段顔も出さないくせに都合のいい時にこれ見よがしに現れるだけの伯父でしかないからなぁ」「これ道長に籠絡されたというより、体調最悪な時に元気になったらこの参考書読んでねとかいうクソ見舞いが悪いからな」「政敵の道長になつく姿も見せられ、さすがにちょっと伊周がかわいそう」と、同情と忠告が混じったようなコメントが。

甥・敦康親王の見舞いにやって来た伊周(三浦翔平)(C)NHK

■ 道長がおこなう「御岳詣」は、以前にも

そうしていろいろ苦労の多い道長くんが取った最終手段が「御岳詣」。道長が嫡男・頼通(渡邊圭祐、祝・初登場!)に説明した通り、いろんな禁忌事項が多いうえに、奈良の山奥まで道なき道を歩いていくという、難易度Aクラスの参拝だ。ただまひろの亡夫・藤原宣孝(佐々木蔵之介)がこれを成し遂げ(注:神様に目立つよう真っ黄色のお召し物で)、その結果見事に出世コースに乗ったのだから、なかなかご利益はある模様。

道長暗殺計画を立てる伊周(三浦翔平)(C)NHK

しかしそれに便乗して、伊周が道長の暗殺計画を立てることに。実はこれ、まったくのフィクションというわけではなく、実際その時代にも「伊周、道長に良からぬことするんじゃね?」という噂が立って、勅使が派遣される騒ぎになったそう。しかしこの『光る君へ』の伊周は、どうやら本気で計画を実行に移す気まんまんのようで・・・。

この不穏な展開に、SNSでは「荒法師に続いて今度は暗殺計画だと!? 中国時代劇みたいな展開になってきた!」「『光る君へ』は噂じゃなくてマジで計画→未遂に終わる説にするのか」「呪詛を諦めて暗殺者送り込む気かよw どこまで根に持ってんだよ」「やだー、分かりやすく悪役やってるー。負けないで道長さん!」「伊周! もうおぬしの下げられる株は無いぞ!?」などの悲鳴混じりの声が上がっていた。

頼通(渡邊圭祐)に「御岳詣」の過酷さを説明する道長(柄本佑)(C)NHK

相変わらず周囲は災難ばかりで、もはや御岳詣によって自力でなんとかする道を選んだ道長。しかし以前ほど悲壮な感じはなく、全体的に意欲的に見えるのは、やはり政のトップの責任感&彰子への親心があるからだろう。

さらに、まひろという清涼剤兼カンフル剤のような存在が、すぐ側にいる環境になったことも一因と思われる。ほかの女房たちからの噂話で、道長くんに文春砲的なものが飛んでこないことを祈るばかりだ。でもその前に、伊周の横槍に負けずに、次回予告から察するにめっちゃくちゃハードそうな御岳詣が無事にできますように!

『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。9月15日放送の第35回「中宮の涙」では、御岳詣に参った道長に危機が訪れるところと、まひろの書いた物語によって、天皇と彰子の関係が大きく変わっていく様が描かれる。

文/吉永美和子

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