おむすび製作統括が語る、菅生新樹の「素朴という才能」

7時間前

『おむすび』陽太役の菅生新樹 (C)NHK

(写真2枚)

連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)は魅力的な若手俳優の宝庫だ。主人公・結を演じる橋本環奈はオファーによるキャスティングだが、ハギャレンのメンバー、ルーリー役・みりちゃむ、リサポン役・田村芽実、スズリン役・岡本夏美、タマッチ役・谷藤海咲、そして陽太役・菅生新樹はオーディションによる抜擢である。

彼らのような逸材を見つけ出すために本作では、他作品のヒロインオーディションとほぼ同規模のオーディションが行われ、女性1864件、男性391件と、有名無名問わず多数の応募があったという。

本日放送された第11回では、結の幼なじみで猟師の息子、陽太が彼女のボディガードのように活躍。ラストシーンでは、帰宅が遅くなった結にやきもきする父・聖人(北村有起哉)の前で陽太が土下座し、「門限破ったの全部、俺のせいなんです。おじさん、実は俺たち、つきあっとるんです」と、「まさかの一言」を発して終わった。

陽太を演じる菅生は、『下剋上球児』(TBS系)の日沖誠役でもそのポテンシャルを発揮していたが、『おむすび』の陽太としても「地元の青年っぽさ」の説得力が頭抜けている。そんな菅生の俳優としての魅力を、制作統括の宇佐川隆史さんに訊いた。

■ 朝ドラは若手俳優の「今この時」を見せられる場所

宇佐川さんは、菅生が醸し出す半端ない「地元の青年っぽさ」の理由について、「『素朴という才能』、その一言に尽きます」と語る。

「朝ドラは、若い俳優さんたちの『今、この時だからこそ見ることのできるお芝居』を見せられる場所であり、それが使命だと思います。陽太は、糸島という土地そのものを体現する存在。まっすぐな気持ちを思わず応援したくなるような、愛されるキャラクターです。そして菅生さん自身もまさに愛される存在で、本当に役とご本人が地続きになっていると感じます」。

『おむすび』陽太役の菅生新樹 (C)NHK

■ オーディションで、「陽太がいた!」

よく作り手が、オーディションなどでこれ以上ない適役の俳優を発掘したときに「○○(役名)がいた!」と内心思うことがあると聞くが、宇佐川さんによれば、まさに菅生新樹も「陽太がいた!」というハマり具合だったという。

宇佐川さんは、「もう(入室してきて)歩き方、位置に着く佇まいから陽太なんです。それってたぶん『愛しさ』だと思うんですね。もちろん、俳優と制作スタッフという関係性の緊張感はあるんですけれど、それを超えた『彼を人として見てみたい』という気持ちにさせられました。それと同時に菅生さんは、『見ている人に、どう受け取られるか』をしっかりと考えてアウトプットできる俳優さんだと思いました」と、オーディションの様子について振りかえった。

また、特にお気に入りの陽太の台詞やシーンを聞くと、第11回の「結を駅でまちぶせ」から「聖人への土下座」までの一連の流れを挙げ、「『俺に任せり』『俺たち、つきあっとるんです』って、陽太がなんの躊躇もなく堂々と言うんですよね。その一生懸命さが愛しくてしょうがないというか。笑えるシーンでありつつも、『あ、陽太、本気なんだな』というのが伝わって、すごく胸にくるものがありました。台本から役を『立ち上げる』俳優部は、やはりすごいなと、まざまざと感じましたし、菅生さんに陽太を演じてもらえてよかったと改めて思った瞬間でした」と絶賛。

陽太の口から思わず飛び出た「つきあっとるんです」の先は、果たしてどうなるのだろうか。明日の放送が楽しみだ。

取材・文/佐野華英

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