外資系「ヒルトン」4年連続で京都に開業、先月は市内中心地へ

16時間前

京都市内の好立地に9月12日に開業したヒルトン京都

(写真10枚)

2025年の大阪・関西万博をひかえた関西エリア。ここ数年、外資系ホテルの開業ラッシュが続いており、特に米国のホテル「ヒルトン」グループのホテル開業が目立っている。なかでも古都・京都での躍進は目覚ましく、2021年から4年連続で系列ホテルが開業している状況だ。

■ 国内でも関西エリアは最多の9軒に

現在、国内には、7ブランド29軒のヒルトン系列ホテルがあるが、そのうち関西エリアは最も多く9軒。京都では、直近で今年9月にオープンした「ヒルトン京都」(京都市中京区)が4ブランド5軒目に。京都市内の中心地である河原町三条エリアに位置し、京都市営地下鉄東西線・京都市役所前駅から徒歩約2分の好立地にある。

屋上のルーフトップバー「クラウドネスト・ルーフトップバー」からは、「京都五山送り火」も眺めることができる

観光客、とりわけインバウンドにとっては、日本の伝統文化を感じられる祇園や先斗町、クールジャパンを体験できる「京都国際マンガミュージアム」、京都の台所「錦市場」へも徒歩圏内で、平安神宮や「京都市京セラ美術館」「京都国立近代美術館」などがある東山エリアも沿線にあり、訪れやすい。古社寺にもアクセスしやすく、古都の魅力を満喫できる立地といっても過言ではない。

コンセプトは、「京都シナプス」で、伝統と革新、歴史や現代などさまざまな要素をひとつにし、京都の魅力を宿泊客と結び合わせ、新たな価値を提供したいとの思いを神経細胞間の接合部である「シナプス」になぞらえている。

7階のデラックスルーム。枕元には、西陣織のタペストリー、絨毯には、京都市内の地図がデザインされている

このコンセプトの「繋がり」を示すキービジュアルであり、デザインのテーマになっているのが、西陣織に代表される京都の伝統産業である織物だ。館内の随所に散りばめられた、何かと何かの架け橋を彷彿とさせるような織物や格子のデザインが目を引く。格子のデザインは、京都の伝統的な建物「京町家」の格子戸を想起させ、京都らしさだけでなく、伝統とモダンが接合し交わる「シナプス」も感じさせる。

例えば、1階のオールデイダイニング「Teori(テオリ)」の織物をイメージした天井と床の敷物は、「職人が工房で作品を織るように、京都の食文化や食材、総料理長の経験を融合させて、新たなメニューを創造するアトリエのような空間」というコンセプトに絶妙にマッチしている。

1階のオールデイダイニング「Teori(テオリ)」

9階のエグゼクティブフロアには、坪庭があり、各部屋の枕元のタペストリーは西陣織で、カーペットはなんと京都の地図になっているというユニークなデザインにも注目だ。

■ 市長も期待「京都の結節点になるホテル」

10月9日におこなわれたオープニングセレモニーで、この付近で育ち、馴染み深いエリアだという松井孝治京都市長は、「住宅地のレジデンスエリア、京都市役所などのオフィスエリア、商業エリア、アミューズメントエリアの結節点(けっせつてん)にホテルが立地している。まさにホテルコンセプトの『京都シナプス』を実感でき、京都の結節点になるホテル」と、その好立地に太鼓判を押す。

オープニングセレモニーでの松井孝治京都市長

京都市観光協会のデータでは、2023年12月のホテル客室稼働率が、76.7%となり、コロナ禍以後に初めて、2019年同月の水準を上回った。さらに、京都市産業観光局の2023年のデータでは、外国人宿泊客数は536万人で、近年では最高を記録している。来年の「大阪・関西万博」開催にあわせて、京都市内のホテルや旅館は、今後ますます需要が増えていく見込みがある。

そのなかで、好立地にあり、全313室の客室(6タイプ5カテゴリー)を備え、京都市内を一望できるルーフトップバーを含む4つの飲食施設、エグゼクティブラウンジ、スパ、フィットネス、屋内プール、宴会場や会議室などを兼ね備えた、大規模な同ホテルのニーズは、さらに高まるのではないだろうか。

取材・文・写真/いずみゆか

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