関西からお得きっぷで効率よく、「森の芸術祭  晴れの国・岡山」の楽しみ方

2024.11.1 06:30

「鏡野/奥津エリア」の奥津振興センターに展示されているジェンチョン・リョウの作品《山に響くこだま》

(写真11枚)

2024年11月24日まで岡山県北部で開催されている国際芸術祭『森の芸術祭 晴れの国・岡山』。その開催期間も残すところあと20日。岡山までの往復新幹線(普通車指定席)、自由周遊区間のJR(普通列車)・一部の路線バス乗り降り自由、森の芸術祭鑑賞パスポート引換券、森の恵みお土産セット引換券がセットになったお得なきっぷ「森の芸術祭モリモリきっぷ」(大阪市内発着1万3500円)を使って、1泊2日、車を使わず公共交通機関だけで『森の芸術祭 晴れの国・岡山』を楽しんでみた。

「森の芸術祭モリモリきっぷ」を使ったモデルコース

■ まずは芸術祭の中心となる津山エリアへ

新大阪駅から山陽新幹線で岡山駅へ、岡山駅からはJR津山線で津山駅へ。津山駅前にある芸術祭のインフォメーションセンターで、森の芸術祭の鑑賞パスポートを引換え、芸術祭のメイン会場のひとつ「津山/津山城周辺エリア」を楽しむことに。

衆楽園に展示されているリクリット・ティラヴァニの作品《無題 2024 (水を求めて森を探す)》

津山市街地は、意外と街が広いので、無料で乗車できる「津山市内アート循環バス」や、レンタサイクル・シェアサイクルでめぐるのがおすすめだ。駅からは少し離れているが、リクリット・ティラヴァニの作品などが展示されている「衆楽園」は、入場料が不要で芸術祭の作品を鑑賞することができ、歴史ある庭園も楽しめるのでぜひ訪れておきたい。

また、城西浪漫館や作州民芸館などもその建築と複数のアーティストの作品が展示を楽しめるのでぜひ。

作州民芸館に展示されているインド出身のアーティスト、スミッタ・G・Sの作品《幸福》
城西浪漫館(中島病院旧本館)の部屋が森のようになっている、ビアンカ・ボンディの作品《森林浴》

「津山/津山城周辺エリア」だけで丸1日楽しめそうだが、せっかくの芸術祭なので、いろんなエリアを訪れておきたい。ということで、津山駅から中鉄北部バスの路線バス(森の芸術祭モリモリきっぷで乗車無料)で、「奈義/奈義町現代美術館周辺エリア」へ。

奈義町現代美術館では、坂本龍一+高谷史郎、AKI INOMATAの作品などが鑑賞できる。そして、屋内ゲートボール場「すぱーく奈義」では、レアンドロ・エルリッヒの作品《まっさかさまの自然》を鑑賞できる。これらの作品を見るためだけに奈義を訪れる価値が十分にあるはずだ。路線バスで津山に戻り、津山のご当地グルメ「ホルモンうどん」など、津山の食を堪能して1日目は終了だ。

屋内ゲートボール場「すぱーく奈義」に展示されているレアンドロ・エルリッヒの作品《まっさかさまの自然》
磯崎新が設計した奈義町現代美術館で展示する映像とサウンドのインスタレーション、坂本龍一+高谷史郎の作品《TIME-déluge》

■ 便利なバスで3つのエリアを周遊

2日目は、津山駅から発着している「Art周遊バス」を利用して、「鏡野/奥津エリア」「真庭/蒜山エリア」「新見/満奇洞・井倉洞エリア」をめぐることに。

岡山県北部の広大なエリアで開催されている芸術祭だけあって、各エリア間の移動が大変なのだが、この「Art周遊バス」なら1乗車あたり500円(乗降するごとに500円が必要)で、3つのエリア、6つの作品展示会場を効率よくめぐることができるので、公共交通機関で芸術祭をめぐるならぜひ活用したい。

津山を出発した「Art周遊バス」は「鏡野/奥津エリア」へ。奥津振興センターでは、ジェンチョン・リョウの作品《山に響くこだま》が展示されている。奥津渓では立石従寛による音のインスタレーション作品が鑑賞できる。これらの作品はどちらも屋外展示作品で、無料で鑑賞することができるので、奥津エリアを訪れるならぜひ見ておきたい(津山駅からここまで2回乗車となり、「Art周遊バス」の料金は1000円)。

ジェンチョン・リョウの作品《山に響くこだま》は、自然豊かな鏡野町の町の鳥・ヤマセミがモチーフの高さ6.5mの作品

続いて、「真庭/蒜山エリア」へ。「Art周遊バス」(鏡野から真庭まで1乗車で500円)で約1時間のんびり過ごすことができるのも公共交通だからこその魅力だ。「真庭/蒜山エリア」ではGREENable HIRUZENに川内倫子、東山詩織など、4人のアーティストの作品が展示されている。隈研吾による建築も楽しんだら、ご当地グルメの「ひるぜん焼そば」でランチを楽しむことに。

GREENable HIRUZENでは何度も岡山県を訪れて撮影したという川内倫子の作品などが展示されている
GREENable HIRUZENで展示されている幾何学的構成の絵が特徴の東山詩織の作品《Green Dimensions》

「真庭/蒜山エリア」から「新見/満奇洞・井倉洞エリア」までは高速道路も利用して「Art周遊バス」で約1時間(蒜山から新見まで1乗車500円、満奇洞から井倉洞・新見駅などに乗車する場合はさらに1乗車500円が必要)。

満奇洞では蜷川実花 with EiM、井倉洞ではアンリ・サラ、鍾乳洞で展開される2人のアーティストの作品を探検気分で堪能することに。なお、満奇洞から井倉洞、井倉洞から新見駅への移動は、土日祝なら乗車無料の「満奇洞・井倉洞シャトルバス」も利用できる。

満奇洞では、蜷川実花 with EiMの作品《深淵に宿る、彼岸の夢》を鑑賞できる

■ 新型特急で岡山駅へ、特産品をゲット!

新見駅からは、指定席特急券を購入すれば、「森の芸術祭モリモリきっぷ」で2024年春にデビューしたばかりの新型車両の特急「やくも」に乗車できるので、「やくも」に乗って岡山駅へ。

岡山駅では、在来線改札内の「おみやげ街道 晴れの国」にて「森の恵みお土産セット」の引換えを忘れずに。岡山県北部の特産品を特産品を詰め合わせた豪華なセットになっている。旅の余韻を残しつつ、岡山から山陽新幹線で新大阪に戻れば、『森の芸術祭 晴れの国・岡山』を満喫する旅も終了だ。

岡山県北部の広いエリアで開催されている『森の芸術祭 晴れの国・岡山』では、作品展示会場間の移動が効率よく作品を鑑賞するための鍵となる。ここで紹介している「森の芸術祭モリモリきっぷ」や「Art周遊バス」をうまく活用し、鑑賞したい作品とその展示会場を軸に、事前にタイムテーブルを決めたうえで、訪れることをおすすめしたい。

※発売は3日前e5489営業時間まで

2024年9月24日発売の『岡山の本』では、『森の芸術祭 晴れの国・岡山』を訪れた際に楽しみたいご当地グルメや見どころなども紹介しているので、旅のお供にぜひ。

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