大阪のオフィス街イメージ覆す、コロナ禍経て個性派の新店が続々

2024.11.6 11:00

ライブ感ある調理風景が楽しめる「めし処 ゑのゐ」の立ち呑みカウンター

(写真7枚)

11月1日発売の月刊誌『Meets Regional』では、4年ぶりの「北浜・淀屋橋・肥後橋」特集。このエリア、コロナ禍を経たここ数年で、肥後橋を中心に驚くほど店が増えているのだ。

それらの新店はせんべろ系といったカジュアル重視ではなくて、料理も酒も深掘りしてこだわったような、これまで界隈にはなかったスタイルのお店。そのため、界隈勤めのワーカーのみならず、休日に目指してくる人も多く、大いに賑わっている。梅田からもミナミからも好アクセスなため、ホテルも多く旅行者も増えているそうだ。

■ 老若男女に受ける? 新スタイルの立ち吞み

「BOY」で人気のBOYの唐揚げ530円と、自家製スパイスハイボール640円

オフィス街になかったようなお店の例を挙げると、たとえば立ち呑みの「BOY」。北浜にあるエスニックスタンド「メイクワンツー」による新業態だが、料理は担々麺の上をアテ皿にした坦々炒めや、某麺酒場リスペクトのジューシーな唐揚げ、ラムの塩ライム煮込みなど全方向型。ナチュラルワインも押さえつつ、焼酎が常時30種以上と、老若男女に受ける要素をもった、新スタイルの立ち呑みである。

ラムの塩ライム煮込み970円は「BOY」の定番。スープまで飲み干したい

■ 精米所まで併設、街の「飲める米スポット」

精米所を併設し、米を毎日精米する「めし処 ゑのゐ」

続いて、ビル2階にある居酒屋「めし処 ゑのゐ」。こちらはなんと居酒屋に精米所を併設していて、利用客には米持ち込みで無料精米というサービスも。店主の故郷、京都府舞鶴市の山麓の水で育った米を毎日精米していて、看板メニューは注文ごとに特注の鍋で炊く土鍋めし。おこげも香ばしくて、シメのつもりがついまた酒を注文してしまう逸品だ。座り席の他に寄りやすい立ち呑みコーナーがあるのもうれしい。

「めし処 ゑのゐ」の土鍋めしより、トロ焼鯖と貝割れ1540円(茶だし付き)

■ 南米ムードを存分に、旅気分で一杯

地の酒器ヒカラも用意。「LAS CASAS」のメスカルはショット900円〜

高速道路と向き合うビル3階のカフェバー「LAS CASAS」。世界20カ国を訪れ、自給自足生活も経験したという店主が、オーガニックをコンセプトに始めた店だ。

ゆえにアルコールも、プラントベースで体に負担が少ないというメキシコの焼酎、メスカルを中心に千葉「寺田本家」の日本酒やナチュラルワインも。店主の思い入れが深いというメキシコの空気感が漂う空間。開けた窓から見える高速道路を目にしつつ、音楽を聴きながら飲めば、大阪屈指のオフィス街にいるということを忘れて、旅しているような気持ちになれる。

異国間が漂う「LAS CASAS」の店内。暮れゆく時間帯もお薦め

近代建築の建ち並ぶ街並みに元気な新店が点在し、長く愛される老舗も健在なこのエリア。気分で選べる豊富なランチや、オフィスワーカーが利用する手土産の店だってある。新旧がいい具合に溶け合うオフィス街を、本誌を片手に改めて周遊してみては。

取材・文/Meets Regional・後藤有佳子

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