「紅葉×世界遺産」実は穴場、和歌山の高野山紅葉ライトアップ

22時間前

ライトアップされた壇上伽藍蛇腹道(11月23日・高野町で撮影)

(写真7枚)

世界遺産の「高野山」(和歌山県高野町)では、紅葉が見頃を迎えている。高野山「壇上伽藍」は、標高約900mの山上に位置し、例年和歌山県の平野部よりも紅葉が早い傾向にあるが、今年は時期が例年より10日ほど遅れたという。

「金剛峯寺」と「壇上伽藍」をつなぐ小道・蛇腹道では、紅葉の時期にあわせ10月より夜間特別ライトアップがおこなわれ、トンネル状になったモミジが赤や黄色に美しく輝く。

「金剛峯寺」正門のライトアップもこの時期ならでは。こちらも山門とモミジの共演をみることができ、道行く人たちが立ち止まり、撮影する姿が見られた。

ライトアップされた金剛峯寺山門(11月23日・高野町内)

「壇上伽藍」も「金剛峯寺」も、いずれも人気の紅葉スポットで、秋の行楽シーズンの昼間は駐車場待ちの列ができ、混雑するエリアに位置する。しかし、日没後の人出はまばら。取材日は土曜日にも関わらず、夜9時頃には、時折人とすれ違うことがある程度で、ほぼ貸切状態に。嘘のような静けさのなか、ゆったり紅葉と世界遺産の共演を思う存分楽しむことができた。

京都の紅葉ライトアップの混雑具合に「オーバーツーリズム問題」が度々話題になるなか、この界隈は混雑とは無縁のまさに「穴場」と言っていいだろう。穏やかに過ごしたい人や、じっくりと撮影を楽しみたい人にはぴったりだ。

ライトアップされた荘厳な壇上伽藍の根本大塔(11月23日・高野町内)
静かな夜の高野山。蛇腹道で見頃をむかえた紅葉を撮影する人たち(11月23日・高野町内)

和歌山県伊都振興局の担当者は「関西から高野山に来られる方は、ほとんど日帰りで帰ってしまうのですが、夜や早朝の高野山にも魅力があります。寺院内の宿坊などに宿泊して、昼とはまた違った静かな高野山を楽しんでいただくのもおススメ。宿坊は、昔は僧侶や参拝者が宿泊するための施設でしたが、現在では海外の方からも人気があり、宿泊者全体の約8割が欧米を中心とした海外の方です。日本らしい体験や、静けさを好んで来られる方が多いと聞いています。日本のみなさんにも宿泊してじっくり高野山を楽しんでもらえたら」と話す。

金剛峯寺正門付近ならびに壇上伽藍蛇腹路の夜間ライトアップは、時間は夕方5時30分から翌日朝6時まで。終了時期は未定で、紅葉終了までを予定している。

高野山には特色のある51の宿坊がある。そのひとつ「天徳院」は、高野山では唯一、重要文化財に指定された庭園を寺内に有する。お庭は宿泊者のみが鑑賞可能(11月24日・高野町内)

また、高野山から少し足を伸ばせば、さらにディープな紅葉の名所を楽しむことも可能だ。「壇上伽藍」から車で約30分の「丹生酒殿神社」(かつらぎ町)もそのひとつ。現在、大イチョウのライトアップが行われており、取材日には、迫力あるイチョウの葉が黄色く色づき始めた姿をみることができた。

し足を伸ばせば、丹生酒殿神社の大イチョウライトアップも楽しめる(11月24日・かつらぎ町)

「丹生酒殿神社」の大イチョウのライトアップは12月14日まで。時間は日暮れから夜10時まで。

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