女芸人No.1決定戦「THE W」ダークホース、やましたって何者?

2024.12.4 17:30

お笑い芸人・やました

(写真5枚)

■ 『M-1』進出が大きな変化に?「想像していなかった」

──それでも『ABC』『NHK』で決勝進出するなど、やましたさんの現在の勢いは目を見張ります。

個人的には、同じピン芸人の真輝志さんと組んで『M-1グランプリ2024』に出た経験がとても大きかったです(準々決勝敗退)。というのも3回戦で、自分が想像していなかった拍手笑いが起きたんです。いつか自分もそういう拍手笑いがもらえる日が来るかなとは思っていたのですが、「あ、ここでもらえるんや」と驚いて。真輝志さんから得たものはすごくたくさんあって、練習のときも「声が小さいから、もっとボリュームを上げた方がいい」とか。やっていたつもりでもできていなかったことが、真輝志さんとの練習で気づけたんです。

──真輝志さんのアドバイスは、やましたさんのネタにも影響を与えたりしましたか。

真輝志さんは漫才の練習のとき、よく「やましたがこういうことをしているところ、見てみたい」と言ってくるんです。で、大きい声を出させたり、泣き真似をさせたりしてくる。ネタが終わっても「やましたが一人でボケてるところが見たい」って、アドリブで続けさせてきたり。私もヒートアップしてリアルな嗚咽とか出すと、めっちゃウケてくれるから、もっとやりたくなってくる。そういう「真輝志イズム」は、間違いなく自分のピンネタにも生かされています。

──『THE W』で披露するネタの仕上がり状況も気になります。劇場でいくつかのネタを拝見していますが、少しずつ変化を加えたりしていて。よりおもしろくなるようにブラッシュアップされていますよね。

ご覧になっている方々に笑っていただきたいのは当然として、『THE W』では審査員のみなさんの票をどのように獲るかももあえて意識したいです。たとえば、ぼる塾さん、おかずクラブさんにパワーで対抗しても、きっと敵いません。だから、とにかくブワーッと喋り続けたり・・・そうやって今回の『THE W』をストイックな大会の流れに持っていきたいですね。

──「ストイックな大会の流れにする」って、すごくかっこいいですね。

なんか偉そうに言っちゃって、本当にすみません・・・。ただ、ずっと喋るだけでは印象に残らないから、「こんなやつでも、こんなことをするんや」と思わせるようなこともちゃんとやりたいです。

「『拍手笑い』をもらえないと、まず勝てないなと思うので。自分の技量だけだと今は分からないですけど…『THE W』でもいただけるように頑張ります!」

──『THE W』と同時進行で、『R-1』も迫ってきましたね。良い流れで『R-1』にも挑戦できるのではないですか。

2024年の流れを作ってくれたのは、2023年11月からABCラジオ『兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ。』に出していただけるようになったことかもしれません。その番組の上ノ薗(公秀)プロデューサーは、劇場入りを目指す若手のライブもよくご覧になっている方なんです。そこで「あなたのネタで声を出して笑ったことはないけど、今後化けそうな気がする」と声をかけてくださったんです。そうやって、感じたことをまっすぐ言ってくださる方はなかなかいないですから。

──そんなことがあったんですね。

あとは、なにより「笑ったことがない」と言いつつ何度か見てくださっているから、「気にしてもらえたんだな」と励みになりました。それからいろんな仕事もいただけるようになりましたし。兵動さんの番組が良い流れのきっかけになったと思います。

──こういったインタビューは「では最後に意気込みをどうぞ」と締めるのが定番ですが、やましたさんは「意気込みNG」ですもんね!(既出の『THE W 準決勝全38組インタビュー』にて発言)

お笑い芸人ってなんかあったら意気込みを求められるから! そもそも「お笑い芸人なんやから、とりあえず意気込め」という風潮がどうなんかなと。『THE W』の決勝なんやから、言われんでも意気込むに決まってますやんって。しかもみなさん、大体「では改めて、意気込みをどうぞ」って振ってきますよね、それって、こっちが既に意気込んでいることを気づいているから「改めて」と言うんでしょ?「なんで改めなあかんねん!」と。

──ハハハ(笑)。いや、このインタビューで『THE W』の決勝に挑むやましたさんの気持ちはしっかりと伝わってきました。

『THE W』って、SNSとかでも「ここに出ている女芸人って『M-1』『キングオブコント』で勝ってない人らの集まり」「『THE W』に賞金1000万円はやりすぎ」とか言われるじゃないですか。実際、女芸人は勝ってないから、それはそうかもしれません。でも私はそういう人の肩を組みに行きたいんですよ。「うん、言ってることは分かるで。でも、出場資格があるんやったら出るくない?1000万円のチャンスがあるのってデカない?もらえるなら、もらいたいやん」って。意気込みではないですけど、いつかそれを言いに行きたいですね!

2024年は数々の賞レースで頭角を現した、やました。「去年の今頃は、ほぼ毎日後輩や同期を誘って飲みに行ってたんですけど…(笑)。ありがたいことに、今はそんなことしてる場合じゃない状態です!」と笑顔をみせる

やましたの出場する『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』決勝の模様は12月10日、夜7時より生放送される(日テレ系)。

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