通天閣、南海電鉄の子会社に…今後は?「どうぞご安心下さい」

2024.12.5 08:00

通天閣のエントランスでおこなわれた会見&セレモニーの様子。左から通天閣観光株式会社・高井隆光社長、南海電気鉄道株式会社の岡嶋信行社長兼COO(12月4日・大阪市内)

(写真6枚)

大阪のシンボル「通天閣」(大阪市浪速区)を運営する「通天閣観光株式会社(以下、通天閣)」が、「南海電気鉄道株式会社(以下、南海電鉄)」の子会社になることが、12月4日に電撃発表。「通天閣、なくなるの?」「日立の広告は大丈夫?」などの心配の声があふれるなか、同日に通天閣エントランスでおこなわれた会見&セレモニーで、通天閣の今後についての説明があった。

「南海電鉄」がなんばを拠点にしていることもあり、もともと密接な関係にあったという2社。現在進めている都市活性化の構想「グレーターなんば」を、このエリアのシンボルと言える通天閣と一体化して取り組みたいと思った「南海電鉄」と、インバウンドを中心とした観光客をさらに誘致するため、関西国際空港直結のアクセスを持つ同電鉄との関係を強化したいと考えた「通天閣」の思惑が合致。今年のGW辺りから話が進み、スムーズに合意に至ったという。

会見で思いを話す通天閣観光株式会社・高井隆光社長(12月4日・大阪市内)

「南海電鉄」が70.8%の株を取得し、子会社という形で南海グループの一員になる「通天閣」。高井隆光社長は「南海電鉄さんからは『クーリングオフはないで』と言われました」と場を温めたあと、「一部で『通天閣がなくなるのでは』という憶測が飛び交いましたが、通天閣は今までも、そしてこれからも通天閣。大阪のランドマークとして、お客様や地域の皆さまに愛される存在でありますので、どうぞご安心ください」と、継続をキッパリと宣言した。

運営体制についてコメントする南海電気鉄道株式会社の岡嶋信行社長兼COO(12月4日・大阪市内)

また運営体制も、南海電鉄の岡嶋信行社長兼COOが「高井社長はアイディアマン。地元の関係とノウハウを活用してもらうためにも、今の経営陣に残ってほしい」と、基本的には現状を維持する方針を明言。1955年の再建の翌年から「日立製作所」が継続しているネオン広告も「引きつづき大阪の灯を守っていただきたい」(高井社長)と、こちらも変化することはない模様だ。

大阪のシンボル「通天閣」

「来年4月には入場者の(QRの)管理システムを入れたい。QRにすることで、南海さんや周辺のお店にも(連携を)広げることができると思います」と、早速新しい構想を披露した高井社長。さらに「通天閣が100年、200年後も輝きつづけられるよう、そして新世界となんばが大阪No.1のにぎわいがあふれる町になるように、がんばってまいります」と、ここからさらに地元を盛り上げることを約束した。新たな経営体制に移行するのは、12月27日の株式の譲渡以降となる予定。

取材・文・写真/吉永美和子

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