M−1の醍醐味「無名からの飛躍」…バッテリィズが番狂わせ

12時間前

お笑いコンビ・バッテリィズ(左からエース、寺家)

(写真6枚)

漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2024』(ABCテレビ)が12月22日に放送され、令和ロマンがトップバッター2連覇を果たした。史上初の偉業となったが、今回の大会では、準優勝に輝いたバッテリィズ(エース・寺家)の存在も強烈なものであった。

■ 「小難しい漫才が増えてくる時代、ワクワクする」

バッテリィズ(C)M-1グランプリ事務局

過去最多となる1万330組がエントリーした今回。決勝進出者のなか5組が決勝初進出というフレッシュな面々が揃い、うちバッテリィズ、ジョックロックの2組は大阪吉本からの参戦。全国区のテレビ出演もほとんどなく、いわゆるダークホース、無名に近い存在だった。

トップバッターの令和ロマンがファーストラウンド1位を維持するなか、7番手で登場したバッテリィズ。「偉人の言葉」をネタに、圧巻のしゃべくり漫才をみせつけた。時折テレビに映る審査員の表情も印象的で、柴田英嗣(アンタッチャブル)はのけぞり笑い、山内健司(かまいたち)は納得の表情で頷き、哲夫(笑い飯)は最後に涙をぬぐっていた。

その結果は861点という、令和ロマンに11点差をつける高得点。1位に躍り出ると、会場からはどよめきがおこり、司会の今田耕司も「爆発したー!」と大盛り上がり。

バッテリィズ(C)M-1グランプリ事務局

今回初審査員として参加した若林正恭(オードリー)は「小難しい漫才が増えてくる時代のなかで、ワクワクするバカが現れた」と評価。石田明(NON STYLE)を「不意打ちを全部くらってしまった」と唸らせ、柴田英嗣(アンタッチャブル)は「こんなクリティカルなアホ、初めて。漫才の妙みたいなところもあった」と絶賛した。 

続けて、博多大吉(博多華丸・大吉)からは「長らく途絶えていたアホ漫才というか。これを令和の時代にうまく蘇らせた」、長年審査員を務める礼二(中川家)からは「本当にシンプルで分かりやすい。すべてが整っていて、4分を一番上手く使っていた」とのコメントが飛び出した。

21年に審査員を引退したオール巨人も、自身のXで「予選からバッテリィズに注目してて!良く頑張りましたね」とのコメントとともに、採点用紙を公開。バッテリィズは10組中1位の「95点」だった。

エースの純粋すぎるアホキャラとM−1を笑顔で楽しむ姿に、SNSでは「日本はバッテリィズという光のお笑いを求めていた」「単なるアホの直球で笑える爽快感。高学歴コンビをも張り倒したバッテリィズ、本物」と絶賛の声が相次ぎ、バッテリィズがトレンド入りを果たした。

■ 昨年初の「敗者復活戦」、苦悩明かす一幕も

結成7年、M-1のキャッチコピー「浪花のド直球」がぴったりな2人

2023年、初の敗者復活に進出したバッテリィズ。当時のインタビューでは、「やっぱり、自分らのことをまったく知らない人がたくさんいるんで。やり辛いとかではなく、こじ開けられへんみたいな」(寺家)「笑ってないお客さんの方に向いて「なんで笑わへんねん!」って感じで攻めたんですけど、何も変わらなかったですね(笑)」(エース)と、初の東京での漫才披露に、難しさを口にしていた。

エースの「アホでピュア」というキャラに目が行きがちだが、「実は僕もめっちゃアホなんです」と笑う寺家。「『M-1』ではエースのところできっちり笑ってもらいたいので、僕の方に武器があると思われないように。『M−1』はボケで笑わず、ツッコミが利くことが多いと言われているんですが、あえてツッコミを入れないようにという意識でやっています」と意気込んでいた。

寺家

エースは「僕は昔からずっと『M-1』が好き。甲子園みたいな、決勝へ行ったら地元でヒーローになれる・・・漫才師である以上はずっと出たい場所です」と語っていた。

エース

最終決戦では、3票(若林、礼二、哲夫)を獲得、令和ロマンに惜しくも敗れ2位となったが、「神回」との声も挙がった記念すべき20回目の『M-1』大会で、今回の活躍は間違いなくヒーローそのものだった。

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