懐かし「揚げパン」にヒットの兆し!?兵庫に1年半で8店舗

手前のコーヒーホイップ330円は王子公園と姫路市川台の限定、ほかにシュガー(手前から3番目)220円、きなこ(奥)230円など
最近はドーナツやおにぎりの専門店が続出しているが、兵庫で人気の兆しとなっているのが「揚げパン」。阪急王子公園駅の本店(神戸市灘区)オープンから約1年半で計8店舗にもなったのが「あげパン屋るん(以下「るん」)」だ。

昨今では小麦粉の高騰に加え、揚げる&砂糖にまぶすという手間がかかるため「揚げパンが消える」状況がニュースで取り上げられるなど、子どもたちには馴染みが薄くなりつつある「揚げパン」。そんな中こちらは、2023年7月にオープンしてから、6月に姫路市川台、8月に神戸湊川、9月に福崎と川西能勢口、10月に飾磨店、11月に加古川、姫路市駅前と怒濤の勢い。大人には懐かしく、子どもたちには新鮮な存在に…その人気の背景を取材した。
■なぜ揚げパン専門店を?
人気のきっかけとなったのは、8年前に神戸・岡本に開業したコッペパン専門店の「こっぺぱんるん」。惣菜やジャムなどの具材をオーダーしてからサンドするスタイルで人気になるなか、徐々にコッペパンの揚げパンもファンを増やしていった。
「通常であればちょっと硬くなった、残ったコッペパンを揚げたものを販売することが多いと思うのですが、当店の場合は、この揚げパンがコッペパンサンドと並んで大人気で、そのために揚げていました」と話すのは、「こっぺぱんるん」の店主と店を切り盛りしていた娘の西川かずよさん。
店主の体調不良で閉店となるが、約1年の充電期間を経て、かずよさんが代表に。揚げパン専門店が珍しいことからも、揚げパンを主役にして改めて「るん」として王子公園で本店をオープン。当初は他店舗展開までは予定していなかったが、増えたきっかけは友だちからのアドバイスだった。

「姫路在住の友人が、給食では『揚げパン』が人気だったから、懐かしくて、きっとお客様が喜ぶよと言ってくれたんです。そこで、王子公園店もリピーターになってくださる方が増えていたのを実感していたので、その友人と共同経営という形で姫路で店を構えました」
すると想像以上に「懐かしい」と40~50代の客が続々と来店。昭和レトロでコーディネートした店には幅広い層が訪れるようになった。そんな懐かしさに加えて、これまでにない、手間をかけた上質な揚げパンというのも人気の秘訣だ。
■きな粉はあまるほど、たっぷり!?
契約ベーカリーから仕入れるコッペパンは、ふわふわ食感でやや甘め、大ぶりサイズなど細かい条件で特注。「なるべく揚げたてを販売したいから」と小ぶりのフライヤーで、4個ずつ揚げていく。
キャノーラ油で揚げ、油切りをしたら、シュガーをはじめ、きな粉、いちごなどのフレーバーパウダーをたっぷりまぶす。その量も贅沢に、特にきなこ(230円)は「これでもか!」というくらいたっぷりの量をまとわせ、さらにパンを入れてくれるビニール袋にも追いきな粉が!
食べ終えても、ビニール袋の底にはたっぷりときな粉が残り、王子公園店の常連客である40代女性は「それがうれしくて! 中学生の息子が、揚げパンを食べながら、その残ったきな粉(抹茶、ココア、いちごなどのパウダーなども)を牛乳に混ぜて飲んでます」と、笑顔で話してくれた。
揚げたてアツアツが食べたい!という場合は、「混雑していなければ、その場で揚げます。おすすめは揚げたてのシュガーです」とかずよさん。ちなみに飾磨店では、作り置きせず、すべてオーダーごととなっている。食べると、シュガーの口どけとともに、ふわふわのパン生地がとろけるような喉越しで、あっというまに1本ペロリ。ちなみに、油切れがよいので翌日の朝食用に買っていく人も多いそう。
店舗を増やしていくなか、商品の価格をキープするためにも、内装費用なども極力抑えてスタッフで手作り。店ごとにカスタマイズした飛び出しぼうやならぬ、飛び出しガールの「るんちゃん」と手描きののれん、さらには昭和の昔懐かしいグッズで装飾されていたり、ガチャのサービスがあったり、それぞれの魅力を活かしている。

さらに、神戸湊川では「ホイップとカスタードのダブルクリーム」(350円)などの洋菓子風シリーズ、加古川・尾上の松店では地元の名物にちなんだ「はみだしカツメシ」(380円)を展開し、それぞれのご当地揚げパンもお楽しみだ。
また同店は「子ども食堂」への差し入れも。「現代の恵まれている時代にまだまだお腹を空かせている子どもたちがたくさんいると言うことを知り、そう言うお子さんのお腹も心も満たしたいと思ったことがきっかけに、まずはできることから…と『子ども食堂』への寄付をスタートしました」と、かずよさん。
今後も、揚げパンが給食から消えてしまう可能性が高いなか、もしかすると兵庫では「あげぱん屋るん」を通じて、現代の子どもたちにも懐かしの味となっていくのかもしれない。
2025年は神戸〜姫路にかけて店舗が増える予定で、近隣の県も検討中。王子公園店の営業時間は10時~17時売り切れ次第閉店、定休日は月・火曜日。年始は姫路本店は2日から、王子公園店は8日から、他店舗は4日から営業。数量限定で福袋の販売も。最新情報はインスタグラム(@agepanyalun)で確認を。
取材・文・写真/いなだみほ
あげパン屋るん 王子公園店
住所:兵庫県神戸市灘区城内通2-5-17
営業時間:10:00~17:00売り切れ次第閉店 月・火曜定休
電話:070-9155-5664
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