SNSでも意見飛び交う「電車の暖房」問題、どう対策すべき?

2025.1.7 07:00

度々話題になる電車の暖房問題。写真は南海電鉄の8000系車両(写真提供/南海電気鉄道)

(写真1枚)

寒さがひときわ厳しくなり、度々SNS上で電車にまつわる議論が勃発。X(旧ツイッター)でとあるユーザーが電車内の暖房に苦言を呈したのをきっかけに、「足もと熱すぎ」「寒いと感じる人もいる」「上着を脱げばいい」「足元の暖房、めっちゃあったかくて生理中とても助かってます」などさまざまな意見が飛び交い、一時はXのトレンドに「電車の暖房」が入った。

たしかにいくら冷え込む時期でも、通勤ラッシュでおしくらまんじゅう状態になった車内となると、暖房が暑く感じてしまうこともあるだろう。とはいえこの冬場に暖房を消してしまうわけにはいかないはず。乗客としてどう対応すべきかをいま一度考えるべく、2つの鉄道会社が実施している温度調整を訊いてみた。

冬場の空調問題、関西の鉄道会社の対応は?

「関西空港駅」があり、観光客も多く利用する関西の私鉄「南海電気鉄道」(本社:大阪市浪速区)に冬場の温度設定について尋ねてみると、空調運転時は車内全体の温度を18度になるよう定め、自動運転により一定温度を保つよう設定しているという。

さらに車掌の操作で、こまめなスイッチのオン・オフをおこない、送風または換気などにより空調管理を実施。気候や天候による外気温の変化、車内の混雑状況などを総合的に判断し、逐一空調の操作をおこなっているそうだ。

かなり細かく調整をしていることがうかがえるがどうしても限界はあるようで、「車内温度に関しては、混雑具合や外気の湿度といったその時々の状況にくわえ、車両の種類やお客さまの乗車位置などにより感じ方が異なります。『暑い』『寒い』といったさまざまな意見をいただき、苦慮しているのが現状です」と難しさを明かした。

ターミナル駅「大阪駅」をはじめ、JR京都線やJR神戸線など多くの通勤・通学ユーザーが利用する鉄道会社「JR西日本」(本社:大阪市北区)でも、乗務員が空調を操作し温度管理をおこなっている。その日の外気温度、車内温度、湿度、混雑状況などを考慮しつつ、列車ごとに適切な温度となるようつとめているそう。また「自動温度調整装置」で自動的に空調温度が維持される車両の場合も、乗継後に乗務員が設定温度の確認を実施しているとか。

さらに、同社は一部地域において今列車がどのあたりを走っているかをウェブ上で確認できる「列車走行位置サービス」を実施しているが、そのサービス内で車内温度も確認できるため、該当の列車を利用する際は温度調整に役立ちそうだ。

とはいえ、やはり温度の感じ方は席の位置や服装などにより異なってくるため、同社では「お客さまがご乗車する際は、弱冷車の選択やご自身の衣服で調整していただきますよう、お願いいたします」と呼びかけている。

先日、筆者がJR西日本の沿線・阪和線を利用した際、列車が駅に停車するタイミングで「車内の温度を保つため、列車ドアを手動ボタンで開け閉めできる」という旨のアナウンスがあった。

今回の取材でも分かるように、実は各鉄道会社で温度調整に関する対策が実施されていることが分かる。暑さ・寒さの感じ方はどうしても個人によって差が生まれてしまう。どうしても暖房の暑さが苦手な人は、電車を利用する際に各社のサービスなどをチェックしてみるのもいいかもしれない。

取材・文/つちだ四郎

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