箕面で英国式スコーン&紅茶、アンティーク家具に囲まれて

4時間前
(写真13枚)

アンティーク家具に囲まれた古き良き雰囲気の中で、紅茶とスコーンやパイがいただける…カフェ&家具のショールーム「Blue Willow(以下、ブルーウィロー)」(大阪府箕面市)が、イギリス好きの間で口コミで広まってきている。

■アンティーク家具を気軽に楽しめ、紅茶目当ての客も

アンティーク家具専門店「ツインアンティークス」が、かつて入居していた店舗ビルの取り壊しをきっかけに、2024年10月2日に箕面船場東エリアへ移転。新店舗では、カフェを併設して店名も一新。「これまでは家具を買わない人は、ちょっと入りにくいイメージがありましたが、若い方や、アンティークになじみがない方でも入りやすくなったと思います」と話すのは、店長で工房主任でもある鈴木光太郎さん。

スコーンと紅茶は、ロンドンで人気のティーブランド・カメリアズティーハウスのものを提供し、販売も。「アンティークの仕入れで知り合った方から紹介され、いただいてみたら大変おいしくて。カフェをやるならここの紅茶を使ったティールームにしようと思っていました」。

お茶を出すスタイルも本格的だ。「茶葉やお湯の温度などは、カメリアズティーハウスのスタッフから教えてもらいました。アフタヌーンティーより気軽にスコーンと紅茶を楽しめる、イギリスではおなじみの『クリームティー』スタイルをイメージしました」。紅茶をよりおいしくいただけるようカップはしっかりと温められ、途中で差し湯も。クリームティーのセットは、スコーン1個で1430円〜、スコーン3種と、紅茶6種からセレクトできる。

添えられたクロテッドクリームは、イギリスのコーンウォールにある老舗・ロダス社のもの。スコーンにジャムを先にのせクリームを重ねる食べ方「コーンウォール式」発祥の地のものなので、そんなことを意識しながら塗るのも楽しい(デヴォン式は、クリームが先)。ちなみに、イチゴのジャムは小瓶がそのまま付いてくるので、たっぷりと使えるのもうれしいところだ。

近所に住み、移転前から同店へ通っていた50代と40代の夫婦にお話を聞くと、食器や紅茶が好きだという女性は「今日初めてカフェを利用しましたが、紅茶がおいしくてゆっくりできますね。もともと、カメリアズティーハウスの紅茶が好きで、百貨店の催事で買っていたので、近くで買えるようになったのもうれしい。雰囲気もいいので、今度は知り合いも連れてきたい」と。アンティーク家具が好きだという男性は、「以前の店舗でも購入したことあるのですが、家具を見ていたら欲しくなりますね」と答えてくれた。

フードは、「イギリス料理であること」にこだわり、現在はスコーンとパイのみの提供となっているが、「落ち着いてきたら、サンドイッチとかアフタヌーンティーなんかもできたらいいなと思っています」とのことで、アンティーク家具に囲まれてアフタヌーンティー。なんともテンションが上がりそうだ。

ミートパイ「肉&玉ねぎ」(770円)。パイは5種類。ドリンクとセットでパイが1個110円オフとなる

■レアなアンティーク家具が!

カフェスペースや、奥の販売スペースに並ぶ、アンティーク家具は1900年前後のものを中心に、イギリスが8割、その他、フランスやドイツ、オランダやベルギーのものも。

「店舗が広さを活かして、大きなテーブルや、イギリスでもレアなものなどを中心にそろえています。たとえば1800年代の『ミリタリーチェスト』は将校が遠征に持っていったもので、持ち運び安いように分割ができて、角には金属が入っていて丈夫なんです。通常のチェストが10万円前後という相場のなか、70~80万円ほどとなりますが、特別な由来があるものを仕入れることが多いです」。

7階に工房があるため、一度解体してクリーニングした上で修理してから販売できるのも、同店の強み。「アンティーク家具を扱える技術のある人は、なかなかいません。購入後のアフターケアにも対応していますので、大切な家具を長く使うことができますよ」と鈴木さん。

こういった家具を目当てに訪れるのは、「40代より少し上、ちょっと落ち着いたライフスタイルをお持ちの方。部屋の造りからこだわっておられる方が多いです。単品で置けるようなアイテムや小物もあるので、カフェを利用する若い方にも見ていただきたいですね」。美しいアンティーク家具は、目の保養にもピッタリではないだろうか。

1階家具のショールーム。7階にもショールームと工房がある

■店名の由来となったウィローパターンも

ちなみに、店名の由来となったウィローとは柳のことで、1780年代ヨーロッパで流行していたシノワズリ(フランス語で中国趣味)の影響を受け、中国の山水画をモチーフにして描かれた絵柄の名称でもある。その「ウィローパターン」のプレートやスパイス壺の販売も。

描かれている柳や堀、橋や小舟、小鳥などのモチーフに秘められているのは悲しい恋物語。中国の官吏である父親に家来の青年との恋を反対された娘が、一度はふたりで逃げたものの、悲しい最後を遂げる。その様子を見た神様が哀れに思って、ふたりを小鳥に変えたというものだ。

このモチーフは当時のイギリスの人々の東洋への憧れを受け、大ヒットしてさまざまな窯で作られた。こうしたアンティークが持つ物語に思いをはせながら、優雅なティータイムを過ごすことができるのも同店の魅力だ。営業時間は11時から18時。カフェのラストオーダーは17時。定休日は木曜日。2024年3月に延伸した北大阪急行「箕面船場阪大前」駅より徒歩約7分。

取材・文・写真/二木繁美

「Blue Willow」

2024年10月2日移転リニューアル
住所:大阪府箕面市船場東2-3-11
営業:11:00〜18:00(LOは17:00)・木曜休
電話:072-730-0331

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本