「仁丹」きっかけに空港で騒動、公式も驚き「さすがに初めて」

8時間前

銀色で小さな粒はたしかに弾丸に似ている…? 現在販売中の、純銀でコーティングされている口中清涼剤「銀粒仁丹」(写真提供/森下仁丹)

(写真2枚)

エチケット用品として知られる医薬部外品「銀粒仁丹(販売名:仁丹N)」といえば、文字通りあの銀色のビジュアルが特徴的だ。そんな「仁丹」が今、X(旧ツイッター)上で注目を集めている。

とあるXユーザーが海外の空港で「仁丹」を持ち込んだところ、「ショットガンの弾を持ち込んだ」と勘違いされて騒動になったのだという。顛末を記した投稿を受け、SNS上では「確かに金属に見えますもんね」「あ〜これは確かに誤解不可避」など驚きや同情の声が寄せられた。

さらに「森下仁丹」(本社:大阪市中央区)の公式Xもこの投稿に「『#銀粒仁丹』は本物の純銀を使用しておりますので、あらかじめ保安検査場にてPC・スマートフォンなどの電子機器類と一緒に出していただくことをおすすめいたします」と反応し、「仁丹、電子機器と同じ扱い(?)なのか」「純銀コーティングしていることに驚いた」など、さらなる反響を呼んでいる。

意外な事実が判明した「仁丹」だが、仮に同じような事態になったらどう対応すればいいのだろうか。同社の担当者に詳しく教えてもらった。

もし「仁丹」で検査に引っかかったらどうする?

──今回のように、「仁丹」がショットガンの弾と間違えられるケースは今までにありましたか?

これまでケーキの上に飾る製菓材料のアラザンやネイルの装飾などに似ているといわれることはよくありましたが、ショットガンの弾はさすがに初めてだと思います。

──やはり! もしこのような事態になったらどう対処すればいいのでしょうか?

実は私も、旅行で空港を利用した際に「仁丹」を持ち歩き用のメタルケースに入れてポケットに入れたまま保安検査場を通ろうとしたところ、検査対象になった経験があります。検査していただいた方が若い世代だったこともあり「仁丹」の存在を知らず、説明に困りました・・・。

公式Xでも投稿させていただいたように、銀が反応してしまう可能性があるため電子機器類と一緒に出していただけると安心です。また、担当の方に説明する場合、日本だと「生薬でできた口中清涼剤」、海外では「japanese herbalmouth freshener」と説明いただければと思います。

現在販売中の、純銀でコーティングされている口中清涼剤「銀粒仁丹」(写真提供:森下仁丹)

──SNSでの反応をみると「純銀を利用している」という点に驚く方も多かったようなのですが、なぜ純銀を使っているのでしょうか?

1905年の発売当初は赤色の「弁柄(べんがら)」でコーティングしていましたが、携帯性と保存性をより高めるために1929年より純銀でコーティングをはじめました。それ以来、今の「銀粒仁丹」で販売を続けています。

──今回思いがけない形で「仁丹」が注目を受けましたが、どういった反響がありましたか?

投稿をきっかけに「すごく似ている!」といったお声をたくさんいただきました。また、「仁丹」がまだ販売されていることを知って実際に購入していただいた方、久しぶりに食べてみた方、改めて商品の良さを語っていただける方の声もいただいております。今までになく「仁丹」にまつわるコミュニケーションが活発になったように感じています。

今回の話題から派生して、「森下仁丹」のサイトで公開されている「スペース仁丹」なるゲームも話題に(一時サーバダウンするほど!)。2018年に創業125周年記念コンテンツとしてオープンした特設サイト内のコンテンツで、不満や苦しみのワードを「仁丹」で撃ち砕くシューティングゲームとなっており、「『仁丹』がなつかしい世代と初めて目にする世代、どちらも楽しめて深く知ってもらえるには・・・という思いから誕生しました」とのこと。

ほか、サイト内には「森下仁丹」の歴史がわかる『仁丹オデッセイ』や、「仁丹」ができるまでの過程を追った『仁丹ディスカバリー~銀粒仁丹ができるまで~』などのコンテンツも公開されている。

取材・文/つちだ四郎

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