これ関西だけ? ぜんざい+塩昆布、意外な組み合わせの理由

6時間前

ぜんざい+塩昆布、大阪ではお馴染みの組み合わせ(写真提供/サトフードサービス)

(写真2枚)

冬の寒い時期が到来すると、喫茶店や甘味屋などに期間限定メニューとして登場する「ぜんざい」が気になってしまう。甘党の筆者はこの季節になると欠かさずぜんざいを食べにいくが、ふと気になったのが「塩昆布」の存在だ。

家庭・飲食店問わず、ぜんざいの横にそっと添えられている塩昆布だが、よく考えたらこれってどういう意味なんだろうか?  調べてみるとどうやら塩昆布を添えるのは関西だけの習慣らしい。今更ながら理由が気になって、調べてみた。

関西圏以外だと、お漬物を添えるのが定番?

考えてみれば、甘味のぜんざいとご飯のお供・塩昆布が当たり前のようにセットになっているのも不思議な話だ。これはいつから始まった組み合わせなのか。まずは、大阪・法善寺横丁で130年以上も歴史を持つぜんざい屋「夫婦善哉」を運営している「サトフードサービス」(大阪市中央区)に話を聞いてみることに。

担当者によれば、この組み合わせは同社が昭和39年に運営を引き継いだ際にはすでに提供されていたそう。さらに、「塩昆布を提供するのは、ぜんざいを食べつつ塩昆布をお口直しとして食べていただき、お茶を最後に飲んで口をすっきりするという狙いがあります」と組み合わせの意図も教えてくれた。

大阪・法善寺横丁で店を構える老舗ぜんざい屋「夫婦善哉」(写真提供/サトフードサービス)

言われてみれば、あんこで口の中がすっかり甘くなったタイミングで塩昆布をかじると、程よくあまじょっぱくておいしさが倍増する。だがしょっぱい食べ物はほかにもあるのに、なぜ「昆布」なのか。そんな疑問をぶつけてみると、「関西、特に大阪では昆布が名産品として取り上げられることが多いためだといわれています」と担当者。たしかに大阪では「神宗」や「おきな昆布」、「松前屋」など老舗の昆布屋が多い。

関西圏以外だと、たくわんなどお漬物を添えるのが定番らしい。それならぜんざい+塩昆布文化を知らない人はこの組み合わせに面食らうのでは・・・? そう思って尋ねてみると、「関西圏以外の方は、そもそも『塩昆布』自体にあまりなじみがないのか、好評を得ています。海外からのお客さまのなかにも、お土産で購入する方もおられますね」とのことだった。

また、同じく大阪府内に店舗がある茶鋪「つぼ市製茶本舗」ではぜんざいを提供する際、佃煮を出している。塩昆布がメジャーな大阪において珍しいと思い理由を尋ねてみると、やはりお茶にこだわるお店ということで、一番茶を使った自家製の佃煮を出しているそうだ。担当者いわく関西圏で塩昆布が定番ということは知ったうえで佃煮を出しているそうで、お店ごとのこだわりや伝統も関係してくることがうかがえた。

ぜんざいには「つぶあん」or「こしあん」、「丸もち」or「四角いもち」など、地域ごとの違いがほかにもある。お店でぜんざいを食べる際は、そこに注目してみるのも面白いかもしれない。

取材・文/つちだ四郎

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