朝ドラ常連・濱田マリに安心感、結へ福岡弁のアドバイスの意味

9時間前

大阪新淀川記念病院で結が所属する「栄養科」の科長・塚本を演じる濱田マリ (C)NHK

(写真2枚)

今週放送中の連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第18週「おむすび、管理栄養士になる」。病院で管理栄養士として働く結(橋本環奈)は、患者の回復を栄養面からサポートするために日々奮闘中だ。そんななか、大阪新淀川記念病院で結が所属する「栄養科」の科長・塚本を演じる濱田マリに朝ドラファンからの注目が集まっている。

濱田といえば『カーネーション』(2011年後期)、『マッサン』(2014年後期)、『カムカムエヴリバディ』(2021年後期)に出演した朝ドラの常連。しかもどの役も(『カーネーション』の安岡のおばちゃんは紆余曲折があったが)ヒロインのそばで励ましたり見守ったりする重要な役どころだ。

「濱田マリがいるだけでシーンが締まる」「抜群の安定感がある」というのが朝ドラファンの共通認識ではなかろうか。そんな濱田の起用理由について、制作統括の制作統括の宇佐川隆史さんと真鍋斎さんに訊いた。

■ 説明事項が多くなるターンでも「なんでも成り立つ」

真鍋さんは、「『管理栄養士編』に入ってからは、NHKとしては情報を正しく伝えなければいけない、間違ったことを言ってはいけないという責務があるので、どうしても説明的な台詞を避けて通れないんですね。それを『芝居』として伝えていくためには大変な力量が必要。しかも、上司としての説得力がなければいけない。この役を演じられるのは濱田マリさんしかいないと、オファーしました。実際に演技を拝見して、その安定感は予想していた以上のものでしたね。極端に言えば『濱田さんがいればなんでも成り立つな』というほど。すごい説得力だなと思いました」と、濱田に盤石の信頼を寄せる。

塚本の「なんでも戦国武将に喩えてしまう」という設定はどこからきたのだろうか。宇佐川さんは、「脚本家の根本ノンジさんのアイデアです。塚本は結の上司で栄養科長でもあるので、言葉が強い意味を持つことが多い。そこに『戦国時代マニアの「歴女」が自分の好きなもので喩えてニュアンスを伝えようとする』という設定を加えたことで、伝え方がやわらいだと感じます」とコメントした。

『おむすび』第88回の場面より。写真左から、結(橋本環奈)と栄養科長・塚本(濱田マリ)(C)NHK

■ 福岡弁は結のコミュニケーションツール、臨機応変に使い分けて

また、2月4日放送の第87回では塚本が、結が病院で患者に接するときは福岡弁で話すことを勧めたというエピソードがあった。敬語よりもそのほうが「和むから」という理由だ。これについて真鍋さんは、「結という人間と福岡弁はなかなか切り離せないと思いました」と語り、こう続ける。

「福岡弁をコミュニケーションのツールとして使うというのが面白いのではないかと、根本さんとスタッフとで考えました。とはいえ、結は相手とのコミュニケーションを円滑にするために福岡弁や標準語などの言葉を使い分けているんですよね。個々の患者さんによっても違うし、医師や、上司の塚本と話すとき、後輩の石田(吉田剛明)と話すとき、その都度意識的に言葉を変えている。実はそういう細かいことをやっています」。

塚本から、患者ひとりひとりへのより細やかな個別対応ができるNST(栄養サポートチーム)の見学を勧められた結。明日2月5日放送の88回では、NSTの仕事とはどんなものかが描かれる。

取材・文/佐野華英

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